2019年1月~3月

【きょうのクロスステッチ Vol. 458】 by 岡村恭子

VOL.458 今年もどうぞよろしく!

søndag den. 6 januar 2019

新年明けましておめでとうございます。

新しい年になって、一週間が過ぎようとしていますが、
みなさまはどんな新年をお迎えでしょうか?
私はというと、日記帳に早くも空欄が出てきているのを、
今なら間に合う!と慌てて埋め合わせをするという体たらく、
せめて残りの360ページはズルなし?!で記してゆこう!というのが
2019年のささやかな誓いとなりました。

大晦日の花火の後、元旦は全国的に寝正月です。
目覚めたら 台風か?と思うような強風が吹き荒れていてびっくり!
庭木が右へ左へと大きく揺れています。
花火を上げている最中じゃなくてよかった、と人々が胸を撫で
下ろしたばかりの翌朝、強風による列車事故のニュースが入りました。
海峡にかかる大きな橋上で旅客列車と貨物列車がすれ違いざま、
貨物のコンテナが突然崩れ列車に衝突。6名もの犠牲者が出てしまいました。
当時の風速は20メートル以上です。橋の上です。もちろん走行中です。
かなりの風圧がかかったであろうということは誰にでも想像できます。
何故どうして貨物が一両だけ外れてしまったのか?という質問にも
原因を究明中という当局の歯切れの悪いことったらありません。

そんなことも手伝って、お正月気分もなく日常が始まった中で、
嬉しいな、と思うのは、少しずつ明るくなってきたことです。
柔らかい日差しに春めいたものさえ感じられます。
食堂の窓辺で越冬しているゼラニウムにも緑の新葉がたくさん出ています。
去年あまり手をかけてあげられなかった庭のことも気になる。
ダウンに襟巻き、あったかい長靴という完全防寒スタイルで、
強風一過の庭に出てみました。
大きな枝がたくさん落ちています。松ぼっくりや松葉もたくさん落ちています。
いつだったか植木屋さんが、台風などでダメな枝が落とされると植物が
リフレッシュする、と言っていたのを思い出します。
確かに、これだけ落とされたのだからスッキリしたでしょう?…
庭木達は髪を梳いてもらったように清々とした様子で、
風に揺られながらコックリと頷いたように見えました。
枯れ枝越しに青空が広がっています。
幾筋もの真っ白な飛行機雲が気持ち良さそうです。
寒い庭の真ん中に立って、大きく伸びを一つ、それから深呼吸しました。
ああ、清々しい!
気持ちを切り替えて心身ともに気分一新です。
良い一年になりますように、と願いつつ、
私の2019年もスタートしました。

今年もコペンハーゲンから身近な話題をお伝えしてゆきたいと
思っています。本年もどうぞよろしく!


岡村 恭子

http://copenhagensmile.weebly.com/













クリスマスに飾ったヒヤシンスの球根も花が咲き、
ゼラニウムの新葉もフレッシュです。
午後の日差しが明るくなって。。。
空には飛行機雲。




【きょうのクロスステッチ Vol. 459】 by 岡村恭子

VOL.459 小さな道具が教えてくれたこと

sondag den. 13 januar 2019

裏庭の片隅から水仙の葉が顔を出し始めました。
長さ5センチくらいの細くて濃い緑色の葉っぱが、
何本かずつひと塊りになってビュンという感じで、
真っ直ぐ空に向かって背伸びして、明るい季節に向かっているよ、
と知らせています。

ところで今、私の手元にある二つの小さな道具。
ペンチのようなものと、ノミのようなもの。
両方とも家人の祖父が使っていた道具です。
製本所を営んでいた義祖父は腕の良い職人だったそうで、
地元県庁などに分厚い和綴じ本を納めていたそうです。
昨秋、家人の実家を訪れた時、
義弟が 家を整理していたらこんなものが出て来た、と
古い小引き出しを手に、笑いながら家人の前に置きました。
覚えてる?とでも言いたそうです。
それは祖父の仕事場の片隅にあった道具箱でした。
紙の裁断機など大きな機械は暖簾を下ろした時に処分してしまい、
仕事場だった場所はとっくに住居になってしまっているから、
当時を思い出すものなど無くなる中で、この小引き出しだけは
亡くなった義母が大切に押入れの奥にしまっておいたのだそうです。
ひとしきり思い出話に花が咲いた後、
もしも欲しいものがあればどうぞ、という言葉に、
遠慮なく私が選んだのが手のひらに収まる二つの道具でした。

マメに磨いていたから、随分すり減ってしまっているという刃物は、
確かに形として少々寸詰まりのようですが、それがまた良い感じです。
持ち手の部分は何の木だろう?柔らかくて温みが有ります。
手に馴染む丸みは職人が使いこなしていた証拠です。
ペンチのような道具は綴じ糸を引っ張るためのものだそうです。
これも先が歪んでしまっています。綴じがほつれないよう力を込めて
ギュッと糸を引っ張っていたんだろうなあ。。。会ったことのない
義祖父の働く姿が…、曲がったことが大嫌いだったという、一人の
腕利き職人の姿が目に浮かびます。

正月、家人が刃先を研ぎました。
錆びついていた刃がキラリと白く光って蘇りました。

道具は使いこなしてこそ意味があると言っているようです。
それにひきかえ、我が家には使わず仕舞いっぱなしの道具の何と多いことか!
と、年明けから反省しきりです。

岡村 恭子
http://copenhagensmile.weebly.com/







義祖父の仕事道具だった2点、磨いてショーケースに納めました。



毎日使う道具で、例えば急須は差し口の湯切れが良いか?問題です。
これは日本で見つけた優れもの(白山陶器社製)



今日の庭から。
水仙の芽が早春の訪れが間近だと知らせています。




【きょうのクロスステッチ Vol. 460】 by 岡村恭子

VOL.460 無駄をなくそう! デンマークの取り組み
      “ We Food “ と “ Too Good To Go “

sondag den. 20 januar 2019

1月も後半になって、ようやくここ数日北欧らしいお天気です。
外に出た途端、カキーン!とするけれど冬らしくていっそ気持ち良い。

ところで、
私は毎朝インターネットで日本のニュースをチェックするのですが、
先日はこんな見出しが目に止まりました。
題して「農水省が恵方巻き業者に異例の通達」
何のことかしら?と思ったら、今や節分には “ 豆まき “ ではなくて
“ 恵方巻き ” だとか。初耳の私はやっぱり「福は内~、鬼は外~」じゃないと
… と思うけれど、そんな個人的な感想はさておいて、
問題は “ 食べて福を呼び込む “ はずの恵方巻きが大量に売れ残ってしまい、
毎年節分直後の廃棄処分場は平日の1~2割り増しの量になる。
これは流石に放っておけない、と思ったお役所が消費に見合った生産を、
と呼びかけたということです。今年は作り過ぎに注意してもらいたいですね。
でも、しかし、この問題は節分の恵方巻に限らないし、
ましてや日本に限った問題でもありません。
先進国が抱えている共通のテーマです。
ここ、デンマークでも如何に食料品の無駄をなくし、廃棄を少なくするか?
ということが社会全体の大きな関心事になっていて、
様々な分野で様々な取り組みが行われています。
どうも、こういうことになるとこの国の人々は大変熱心だし、
アイデアが生まれるとまず実践してみよう!という気概にあふれていて、
人々の関心も非常に高いようです。

私がよく行くスーパーは “ 無駄をなくそう!” というキャッチコピーで、
少人数用のスモールパックをセールスポイントにしたり、
残り物を利用したメニューを紹介したり、先日は「無料」と書かれた箱に
熟れ過ぎたバナナやリンゴが入っていました。
野菜も一本から買えますし、賞味期限の迫った商品の値下げコーナーも
結構充実しています。
小麦粉、砂糖、などの量り売り専門店もなかなか人気のようです。
容器持参で買いに行くあたり、昔のお豆腐屋さん的ですが
大きな違いは、買い手にとってそういうショップを利用するということが
ひとつの意思表示になっているということです。

大手スーパーと契約して、賞味期限の迫った加工食料品を格安で
提供するショップ “ We Food “  http://theplatnews.com/p=1531
や、携帯アプリを使った新たな取り組み “ Too Good To Go “
https://japan.cnet.com/article/35088318/
など、いずれもデンマークが発祥ですが、現在、ヨーロッパに拡散中で、
すでにイギリスなどに波及していると聞きました。

帰国した際、デパートの食料品売り場に行くたび、そのバリエーションに
感動しながらも、売れ残ったらどうするんだろう?と心配してしまいます。
日本版 “ Too Good To Go “ が出来たら素敵ですね。

岡村 恭子
http://copenhagensmile.weebly.com/







To Good To Goでの購入方法。
あらかじめ携帯のアプリで購入、閉店1時間前から受け取り可能。
中身は開けてからのお楽しみ。
この日は美味しいパン屋さんの当日売り切り分を購入。
支払い金額30クローナ(約570円)通常の半額以下です。






今日の町内から。
気温は低いけれど、青空をバックにして鳩も気持ち良さそう。
公園にも子供を遊ばせる姿が見られるようになりました。






今日の我が家から。
庭の寒桜が咲き始めました。
プリムラの小さな花が一足早い春を呼び込みます。




【きょうのクロスステッチ Vol. 461】 by 岡村恭子

VOL.461 デンマークの暮らしに彩りを添える
      美味しいパンと小さな花束

sondag den. 27 januar 2019

久しぶりに雪の週末となりました。
朝から雪かきに精出しています。
我が家は角地で縦横と歩道に囲まれていますから、
単純計算でお隣りさんの倍、おまけに風向きのせいか?
いつだって家の前が吹き溜まりになり、積もる雪の量が道路を
隔てたお向かい側の倍!… 倍々の雪かき量だとこぼしつつ、
1辺が約30m(合計60m)の歩道を行ったり来たり。
最後に専用の溶塩を撒くと面白いように残っていた雪も溶けて、
道ゆく人が TAK ! (=ありがとう!)と笑顔で挨拶してくれます。
雪かきが終わった時には身体中がポカポカ。気持ちもポカポカです。

先日のこと、
「今から行くので珈琲をお願い。」とエリックからの電話です。
さては焼きたてパンを持ってくるかな?と密かに期待して
準備していると、案の定、香ばしいバターの匂いのする袋を下げて
やってきました。早速 デニッシュを頬張りながら仕事の打ち合わせ…
はさて置いて、評判のベーカリー談義に花が咲きます。
全くのんびりしたものですが、雪の庭を窓越しに、そんなひと時を
過ごすのも今頃ならでは。文字通りヒュックリー!なひと時です。

エリックに限らず、デンマーク人はパン屋さんにはちょっとウルサイ。
これは本人たちが気づかない “ 素敵なこだわり “ だと私は拍手を送って
いるのですが、加えてもう一つ、私が常日頃「見習いたい」と思って
いることに、暮らしの中で花を愛でる“ 素敵な習慣 “ があります。
大型店やインターネットショッピングの普及で、個人商店がどんどん
店じまいする中で、お花屋さんとパン屋さんは減るどころか増えていて、
中には行列のできるお店もあるほどなのです。

誕生日などの記念日などにはもちろんのこと、
来客を迎える日には必ずテーブルに季節の花を添え、
親しい人を訪問する時にも小さなブーケを手土産にします。
そして、冬の寒い季節には窓辺に飾ったチューリップが一足早い春を
演出してくれるのです。
何気ない日常に焼きたてのパンと小さな花束を加えただけで、
その日一日が幸せに感じられるとしたら、こんなステキなことはないと思います。

今年も巡って来た結婚記念日。
家人がピンクの花束を差し出しました。
そのお返しに、というわけでもないけれど、
私は真っ白いチーズケーキを焼きました。

岡村 恭子
http://copenhagensmile.weebly.com/







裏庭も雪化粧、退屈な季節には雪かきも良い運動です。









野の花をアレンジしたような愛らしいブーケは娘から。
どちらも嬉しいプレゼントです。







雪景色にも似た白いチーズケーキ。花束のガーベラを添えて。
レシピはこちらから↓
https://copensmile.exblog.jp/26530741/




【きょうのクロスステッチ Vol. 462】 by 岡村恭子

VOL.462 デニッシュデザインに囲まれて。
     冬の晴れ間のティータイム

søndag den. 3 februar 2019

さあ、冬のアンカー2月になりました。
カレンダーに並んだ28までの数字が、
きっかり4週間で冬を締めくくります!と宣言しているみたいです。
冷たい土の中で草花たちが外の様子を伺い始めている気配です。
真っ白いスノードロップや福寿草のような黄色い花びらの
エランティスが咲き始めるのももうすぐ、庭木の梢をせわしなく飛び交う
シジュウカラの姿も目に嬉しい。
冬から春へ、少しずつ、でも確実に明るい季節へと舵を取り始めています。
まだまだ先のことと思っていた4月のオープンステッチハウスも
瞬く間にその日がやって来そうですね。ワクワクシーズン到来間近…!
とは言っても、まだ外は氷点下、もう少し辛抱我慢の今日この頃ではあります。

先週、雪かきに追われたことはこのページで書きましたが、
なんと、その翌日には急に気温が上昇して雨に変わり、
積もっていた雪も一度に溶けて流れてしまいました。
そして数日後、抜けるような青い空が広がった午後、
延江さん達と久しぶりにおしゃべりをすることになりました。
年末に風邪をひいてしまい、会えずじまいだったから
La Glaceでケーキを頬張って以来、かれこれ3ヶ月ぶりです。
https://laglace.dk

今回は延江さんセレクションによるロイヤルホテルの、
その名もロイヤルカフェです。カジュアル路線をモットーとする
私にはワンランク上のおしゃべりタイムと相成りました。
ロイヤルホテルはデンマークを代表する建築家アルネヤコブセン設計の
ホテルとして知られています。建物だけにとどまらず家具やカトラリーに
至るまで完璧なトータルデザインを手がけたことでも有名で、
世界中から “ 北欧デザイン好き “ な人々が訪れるという、
特別感満載のホテルでもあります。
http://fika10.com/Denmark/trip_dk_04.html

ガラス張りの明るいカフェの一隅、ゆったりしたソファに寛いで、
スペシャルブレンドの紅茶にデニッシュオープンサンド、自家製スコーン、
スィーツの盛り合わせに三人共ニッコリ!おしゃべりも弾みます。
束の間だけ旅行者になったような気分に浸りながら、北欧デザインの
メッカでのひと時を満喫しました。

数時間後、ただいま~。ああ、楽しかったー。お腹いっぱい!
矢継ぎ早にロイヤルホテルでの一部始終を話しながら、
あらっ?!そういえば。。。と今更のように気がつきました。
この家だってアルネヤコブセン設計の住宅なのだということを。
そして思いました。オンボロで手がかかる、と文句ばかり言わないで、
これからも末長く大切に住んであげなくては!と。

岡村 恭子
http://copenhagensmile.weebly.com/




青空が広がって気持ち良い午後。待ち合わせ場所に向かう途中でパチリ!
(写真左がSASロイヤルホテル)















席に着くと、まずスタッフがホテル&ヤコブセンデザインの説明してくれます。
スペシャルブレンドのピラミッドティーバック。カップに浮かべるとこんな感じに。
もちろん食器はロイヤルコペンハーゲン、カトラリーはヤコブセン!
ご覧の通り盛りだくさんのプレートでした。螺旋階段を模したスィーツも!
そして、ホテルロビーの螺旋階段です。



シンプルなデザインが如何にもアルネヤコブセンらしい我が家の暖炉。




【きょうのクロスステッチ Vol. 463】 by 岡村恭子

VOL.463 関税引き下げで身近になる?!美味しい話題。

sondag den. 10 februar 2019

今週は冬休みです。
子供達の楽しみはお菓子の入った樽をスイカ割りのように叩いて
遊ぶファストゥラウン。
♪私の名前はファストゥラウン♫好きなものは甘いクリームの入ったお菓子♪
ちょうだいちょうだい美味しいお菓子♪くれなきゃ、イタズラしちゃうよ♫
思い思いに仮装して、樽の周りを回りながら歌う子供達の元気な声が
低い冬の空に明るく響きます。

ところで、私が最近気に入っているテレビのCMでこんなのがあります。
まず東京の雑踏が映し出されたと思ったら、すぐにラーメンのアップになり、
湯気の中には美味しそうな焼豚が…、すると、今度は某有名ラーメン店の
黒い服を着た男性が「当店の焼豚はデンマークの豚肉を使っています。」
(もちろん日本語。画面下にデンマーク語テロップ)と言うのに続いて、
朝霧に包まれた農場に立つ酪農家の男性が「私たちは豊かな自然環境で養豚
しています。」とにっこり。
最後に【 Fødevarersminister : 食糧省】の文字。
これはデンマークの食糧省による酪農産物貿易振興のアピールCMですが、
わずか数十秒間で両国の良い関係が表現されていて好感が持てます。

今月からEPA経済連携協定で日本とEU諸国間の輸入関税が大幅引き下げに
なりました。特に食料品はほぼ関税ゼロの自由化ということです。
CMに登場したラーメン屋さんもデンマークの豚肉が値下がりしたら
嬉しいでしょう。豚肉に限らずヨーロッパ産のワインやチーズなどが
手軽に買えるようになるという日本のニュースを見ながら…。
と、いうことは?当然デンマークに入ってくる日本製品も安くなるという
ことかしら?いや、しかし、消費税25%に変わりはないのだから、
それが加算されると…ひょっとしてこれからはデンマーク製品も日本で
買ったほうが安いということになりはしないか?
今までチーズを手土産にすれば喜ばれていたけれど、これからは
日本からデンマーク製品を持ち帰るということにもなりかねない。と、
〝主婦キョーコ〟の脳ミソは混乱状態です。

何れにしても、ヨーロッパと日本が食文化を通じてますます身近に感じられる
ようになるのは大歓迎です。
とりあえず、デンマークでも和食材料がもっと豊富にもっとお手軽価格で
店頭に並ぶ日が来ることを期待しようと思います。

岡村 恭子
http://copenhagensmile.weebly.com/













ETA : EUとの経済連携協定で日本とヨーロッパが大きな自由貿易圏に。
日本ではヨーロッパ産のワインやチーズが身近になり、
デンマークでも日本のウヰスキーが手軽な価格に!?






これが歌に出てくるファストゥラウンのお菓子 : Fastelavensboller
クリームたっぷりです



最後の写真はファストゥラウンの様子より。
子供達は仮装して歌いながら家々を回ります。可愛い!




【きょうのクロスステッチ Vol. 464】 by 岡村恭子

VOL.464 思い切って断捨離しましょう!

sondag den. 17 februar 2019

陽射しが明るい!眩しい!まことに嬉しい!!

春の到来を告げるかのようなうららかな週末です。
小鳥たちのさえずりも朗らかに聞こえます。
早速、今年最初の庭仕事を始めました。
枯れ枝払い、雪雨に濡れてずっしり重たい冬の残骸を大きな
シャベルですくい、手当たり次第にかき集めてはコンテナに入れて
行きます。これからしばらくの間は同じ作業の繰り返し、
本格的な春が来る頃までには花壇のメンテナンスも終わらせたい!と
張り切っています。庭のあちらからこちらへと忙しく動きながら
ワタクシ〝とっても元気〝を実感中です!

つい先日、買い物帰りのこと、
道沿いの住宅の前にマットレスや壊れた椅子が並んでいるのを
見かけて思い出した。そうだ、明日は2ヶ月に一度の粗大ゴミの日だ!
買い物袋をキッチンの台に置いたまま、地下室に直行しました。

この家に越して来る前は狭いアパート暮らしで、いざ引っ越し!と
いう時にも小型トラックに収まるくらいの所帯道具しかなく、
とっても簡単、身軽な作業だったのを覚えています。
まあ、そんなでしたから当初は地下室などに仕舞うものとてなく、
もっぱら幼かった娘の遊び場でした。友達とチョークで描いた絵が
今も壁に残っています。そんなガランとしていたスペースも
次第に使わないモノの格好の置き場所となって幾年月。
今では「取りあえず…」とか「もしかしたら…」という台詞と共に
“ 一応 “ 保存されたもので山積み状態です。
大半は二度と日の目を見る事など無いだろうと分かっているのに
捨てられない…。他にも捨てられないものは沢山あります。
衣類はその最たるものですが、書籍類や大小様々な空き箱や陶器&ガラス類、
戸棚には化粧箱に入ったままの頂き物の食器類等々。
未練を断ち切り、この辺で断捨離が必要になってきたようです。

そもそも、断捨離という言葉はもともとヨガ用語からの転用だそうで、
断 は 入ってくる不要な物を断つ。
捨 は 家にずっとある不要な物を捨てる。
離 は モノの執着から離れる。
なあるほど、実践できたらスッキリしそうです。

夕食後、そんな話をしたら、
モノに限らず ” 人 “ にも断捨離が必要だ、という話になりました。
年齢を重ねてきた今、気持ちの通じる友人や仲間との時間を大切にしたい。
そのためには、まず仕事関上の付き合いの断捨離から、というわけです。

『断 捨 離』この見るからに毅然とした三文字が、
私たちに 捨てなさい!未練を断ち切りなさい!と、決断を促しています。
… 果たして実践出来るでしょうか?。。。。

岡村 恭子
http://copenhagensmile.weebly.com/
















全て本日の庭から
寒桜が満開です。
芝生の間からスノードロップ、エランティス、クロッカスなどが
早春の訪れを告げています。今年も咲いてくれてありがとう!




【きょうのクロスステッチ Vol. 465】 by 岡村恭子

VOL.465 デンマークの暮らし
     スムーズなインターネット手続きと
     改善の兆しないアナログ郵便事情

sondag den. 24 februar 2019

免許証を書き換える時期になった家人と一緒に、
(そんなことでもなければ行く機会の無い)
地域の『住民サービスセンター』に行って来ました。
日本の区役所的な場所です。

ガラス張りのエントランスを入るとカフェを挟んで
書類申請などのいわゆる役所的フロアと図書館に別れています。
あらかじめインターネット予約しておけば、並ぶことなく
時間通りに手続きできるので、人々の流れもスムーズです。
(公共施設のインターネットページはいずれもわかり易く
もちろん英語変換可能で、国籍問わず全ての住民に理解できるよう
配慮されています。)

帰りがけ、児童図書室をのぞいてみると陽だまりのコーナーで
若い保育士さんが幼児に絵本を読み聞かせているところでした。
午前中だったので空いていましたが、きっと放課後には学校帰りの
子供達で賑やかになるのでしょう。カルチャーセンターも兼ねていて
各種イベント会場としても活用されています。
明るく開放的なフロアを人々が自由に行き交っています。
そんな様子からも、同センターが地域のソーシャルプラットフォームとして
活用されているということがわかります。ここに限らず、デンマークでは
公共機関が地域住民の意見を反映しながら実にうまく機能し活用されている、
と感心する一方で、どうして?なんで?と首を傾げてしまうこともあります。

丁度2月14日のバレンタインデーでした。
心待ちにしていた懐かしい友人からの手紙が届いて喜んだ、と同時に
封筒に丸く押された〝1月19日〟という消印を見て驚きました。
エアメールで約ひと月もかかったということです。
何故か?根本的な原因はわかりませんが、一つ言えるのはデンマーク側の
問題に決まっているということです。
先に述べたスムーズなインターネット手続きとは反対に、
アナログな郵便事情はひと昔前の方がずっとスピーディーでした。
手紙なんて時代遅れと言われても、Eメールで済まされないこともあります。
スカイプではダメな時だってあるのです。
一月末に届いた一通の年賀状も、先方にメールでその旨を知らせると
案の定、年末に送ったものだという返信でした。やっぱりね!
何につけても権利を主張し、納得できない場合はしつこいくらい改善要求する
デンマーク人ですが、なぜか?この不親切極まりない郵便事情についての
不満が聞こえて来ません。少なくとも私の耳には入って来ていません。
どうしてかなあ?… 不思議です。
仕方がないので、日本まで最低2週間かかるという想定で
手紙をしたためています。
本日は母へのバースデーカードを作成、到着目標は3月9日です。
お誕生日までに届きますように。。。

岡村 恭子
http://copenhagensmile.weebly.com/



















全て、地域住民センターより
吹き抜けのロフトから自然光が差し込む明るいエントランス。
おしゃれなカフェ、螺旋階段を上ると図書館。
児童図書館にて。ラフな姿のお兄さん保育士と子供達。楽しそう!
赤ちゃんとお母さん。育児休暇中なのでしょう。
本を整理している係の女性。デンマークは勤務中の服装も至って自由です。
飛び飛び文字、飛び飛び数字もありました。遊びながら覚えられそう。




【きょうのクロスステッチ Vol. 466】 by 岡村恭子

VOL.466 桃の節句に桜のお話し。

sondag den. 3 marts 2019

三月になりました。暦の上でも春到来です。
気象番組でこの冬の平均気温は平年よりも3℃以上も高かった
というのを聞いて、この調子だと今年も暑い夏になるかもしれない。
いよいよ北欧の暮らしにもエアコンが必需品になるのかなあ?
そうなると今までのように開けっ放しで暮らせなくなるわねえ。。。
…と、つい、そんな先のことを心配してしまう。
そのくらい暖かな毎日です。

暖かいのは結構なのですが、植物にとっては激寒の冬も必須で、
寒暖のメリハリが大きいほど植物の生育めざましく、
果物も甘く実るのだそうです。個人的には本来は越冬できないはずの
害虫の卵が土中でぬくぬくと越冬しているかも知れない、と心配です。
そういえば、日本のソメイヨシノも外来種の害虫に蝕まれて苦境に
立たさされていると聞きました。
幹の中で卵が孵化し、幹を食い荒らし、内部をがらんどうにして
しまうらしい。そうなる前に伐採しないとどんどん繁殖して
並木が全滅してしまうことにもなりかねないそうです。
想像しただけでも痛々しいけれど、今の所、抜本的な方法は無く、
侵食された木を切って拡大を防ぐしか無いとも聞いています。

一体、天気予報で桜前線を知らせる国が他にあるでしょうか?
開花宣言を今日か?明日か?と心待ちにする気持ちをどう説明したら
良いでしょう?
世界中探してもこんなに人々の心に寄り添っている花などありません。
そんな桜を守るために、今年は皆でお花見がてら害虫捕獲撲滅作戦と
いうのも妙案かと思うけれど、如何でしょうか?

どうも、桜の話になると少々熱くなってしまいます。というのも、
(以前にも書いたように)我が家の庭の桜の木が終焉を迎えてしまったのです。
冬の間は庭中が枯れているから気にならなかったけれど、
芽吹きシーズンを迎え、植物たちが目覚める様子の中で、一人ポツンと
枯れ果てた太い幹を晒している。。。そんな姿を見るのが辛いので、
庭仕事の最中も桜の根元を横切る際はつい俯いて見ないようにしている
自分がいます。
桜の木は樹齢70年が経過したら自然衰退するそうで、
我が家のは樹齢80年以上の老木なので、つまり、そういうことです。

思えば、私たちがこの家に暮らそう!と思った大きなきっかけは
この桜の木でした。
以来、毎年それは見事に開花し、夏にはご近所に配っても余るほどの
サクランボが実り、葉陰は絶好の読書コーナーに。秋は紅葉で芝生を
黄金の絨毯で彩ってくれた。
そんな日々を綴った拙著のタイトルも『ヤコブセンの家ー桜日記』でした。
というわけで、
桜のシーズンには少し早いけれど、思い出の『我が家の桜の四季』写真です。

岡村 恭子
http://copenhagensmile.weebly.com/
















我が家の桜の四季から
お花見の頃、サクランボの収穫時期、そして秋の紅葉。
開花までの毎日は朝から晩まで桜を眺めていたような気がします。






ひな祭りなのでお団子を作りました。




  • 2020.04.05
  • 00:09

【きょうのクロスステッチ Vol. 467】 by 岡村恭子

VOL.467 自由な風の吹く王国 : デンマーク
     ファッションモデルになったプリンス

sondag den. 10 marts 2019

春のオープンステッチハウスまであとひと月ちょっととなりました。
4月18日~20日です。カレンダーに○印をつけておきましょう!

日増しに明るくなってきました。暗かった冬から一気に明るい季節へと、
舞台がクルンと反転したみたい…、春を迎える度にそう思います。
嬉しい、と言いたいところですが、今週は冷たい雨が降り続き、
ようやく雲の切れ間から青空がのぞいたと思ったら、今度はものすごい風で
吹き飛ばされそうになってしまいました。庭仕事も少しの間お休みです。

ゆっくりと珈琲を入れながら、たまにはデンマーク王室の話題でも。
まずは、こちらをご覧ください。



ちょっと心もと無さそうに憂いをおびた表情がなかなか良い感じですが、
さあ、この若いファッションモデルは一体誰でしょうか?
クイズのようになってしまったけれど、実は彼、何を隠そう、
マーガレーテ女王の孫、プリンス : ニコライ(19才)なのです。
デンマーク王室直系の正真正銘プリンスです。

女王さまには長男で王位継承プリンスのフレデリック殿下、と
次男のプリンス : ヨーキムという二人の息子がいます。
今回クローズアップしたニコライはプリンスヨーキムと最初の妻、
アレクサンドラの長男、マーガレーテ女王の初孫に当たります。
アレクサンドラの父親は中国人、母親がイギリス人、従って
ニコライはこの2カ国に加えてデンマークの、それも王室の
由緒正しい血統が混ざっているというわけで、何処となく
エキゾチックな雰囲気が漂うのも頷けます。
残念ながら両親は離婚、その後、アレクサンドラは紆余曲折を経て
現在独身ですが、父親であるヨーキムはフランス人女性と再婚し、
新家庭を築いています。こう書いていると自由奔放すぎるようにも
思えるけれど、この国の人々は、例え王室メンバーであろうとも
できるだけ自由に幸せに生きる権利があるという考えが一般的です。
その証拠に、プリンスがマラソンに参加したり、プリンセスがショッピング
していたり、美術館のカフェで女王様がケーキをつまんでいる姿を見かけたり、
と、文字通り国民に身近な存在で、普段はほとんど一般人と変わりない
暮らしぶりなのです。
さらに、2016年の王室に関する法の改正に伴い(経費節減の為)
王位継承者以外は、満18才以降の経済的な特別枠 
(必要とみなされる歳費以外のいわゆる不労所得)が廃止されたことで、
高校卒業後は真剣に将来の進むべき道を模索しなければならなくなりました。
そう、一般国民同様に。
そしてその法改正後、最初の洗礼を受けることになったのが
プリンス : ニコライなのです。昨年、高校を卒業、そのまま大学進学という
大方の想像に反して、なんと!ファッションモデルになった。
この意外な選択肢にも国民は騒ぎ立てず、社会に一歩踏み出した若者として、
さて、いつまで続くか?ニコライ君?!と静かに見守っているという印象です。

もしかすると、デンマーク王室のプリンスが東京ファッションウィークで
ランウェイする日も近いかも知れませんね。

岡村 恭子
http://copenhagensmile.weebly.com/




(gettyimages Ole Jensen 撮影)
プリンスニコライの18歳の誕生に。 パーテイー会場のロイヤルシップにて。
ニコライを挟んで向かって左側に父ヨーキムと再婚相手のマリーエ&二人の子供、
右に母親アレクサンドラと弟のフェリックス。









街角スナップ。お花屋さんの店先も春らしくなってきました。
風が冷たくても子供達は元気です。通りかかった広場では
今年最初のフリーマーケットが店開き。



大きくなりすぎた柊を一回り小さくして清々。結構ゴミが出ます。




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