きょうのクロスステッチ

【きょうのクロスステッチ Vol. 678】 by 岡村恭子

VOL.678 デンマークの暮らし 冬を迎える準備の巻

onsdag den. 20 september 2023

雲の流れが早い。
秋晴れの空が一転、大粒の雨になり、またしばらくすると
ケロリとした顔でお日様が顔を出す。
気まぐれな秋の空です。
夜の帳が降りる時間も早まってきました。
ステッチハウスの新着アイテムの美しい雪景色を見ながら
https://www.stitchhouse.jp
確実に長い冬に向かっていると実感する今日この頃です。

⚫︎冬を迎える準備 その1
9月に入ってから暖かい日が続いています。
今のうちに冬を迎える準備をしなくては!
最優先すべきは例の給湯パネルの交換です。
詳細はこちら↓
https://www.stitchhouse.jp/hpgen/HPB/entries/2535.html

我が家のような古い家では年がら年中小さなトラブルが生じます。
その中でも特に多いのが水回り問題、大抵の場合水道水に含まれる
カルキが原因です。普段からこまめにカルキ付着を取り除くことが
必要で、スーパーの洗剤コーナーには(酢酸系なので)鼻にツンとくる
強力タイプから食器に使う無臭タイプまでよりどりみどり。
(私はお料理に使った後のレモンの皮でシンクをクルリと
ひと撫で、水滴跡がきれいに取れます。)
他にもトイレの水洗タンクがカルキ付着で、水が流れっぱなしに
なってしまったり、とまあ、色々細々起こるハプニングにも今では
すっかり慣れて、できる限り自分たちで解決するようにしてはいますが、
さすがに今回は給湯パネル交換なので職人さん頼みです。
当日は早朝から手際よく作業開始。昼過ぎには新しいパネルが設置されました。
どうやら、この冬は安心して暖かい部屋で過ごせそうです。

⚫︎冬を迎える準備 その2
お天気の良い日には外回りメンテナンスの最終章に拍車をかけます。
アルネ ヤコブセンの住宅の特徴の一つに細い鉄パイプの欄干というか、
垣根というか、仕切りといべきか?があります。
見た目は美しいのですが実に手がかかる。数年ごとに塗らなくてはならない。
放置していたらいずれ錆びて朽ち果ててしまいます。
裏庭のパイプは去年家人が塗ったばかりなので、今回は2階ベランダと
キッチン入り口の階段部分です。
細いパイプのサビ部分をペーパーでこすり取り、水拭き乾燥後、
ベタつく専用塗料で一本一本塗ってゆきます。
不器用な私は指先についた塗料でベタベタになってしまい
ため息混じり、それでも2日がかりでなんとか終了、
数年の間はパイプのサビを気にしなくて済みそうです。

北欧暮らしは「夏&冬」「明&暗」の2分割だと痛感します。
これから向かう「長い冬&暗」の季節を快適に過ごすために
まだまだがやるべき事が出てきそうな予感です。

岡村 恭子
http://copenhagensmile.weebly.com/







給湯パネル交換工事の様子から。
パネル一台の重量が約40kg!重たい!









裏庭のパイプ垣根の塗装風景と
2階ベランダの作業風景。ついでに窓枠のペンキ塗りも。



今年は豊作でした。これが最後の一個!



晴れたそばから雨になる。移り気な秋の空です。



【きょうのクロスステッチ Vol. 677】 by 岡村恭子

VOL.677 デンマークの暮らし 私の人生 : Befor&After

onsdag den. 13 september 2023

早いもので9月も半ばに差し掛かろうとしています。
庭の葉も秋色を纏い始めました。

夜遅くまで賑やかに過ごした宴の後片付けをしながら、
次々と懐かしい思い出が蘇ってきます。
宴の詳細はこちら↓
https://www.stitchhouse.jp/hpgen/HPB/entries/2538.html

⚫︎私の人生 : Befor&After
私の人生は大きく分けてデンマーク以前と以後に分かれる、
そう常々思っています。たまたま結婚相手が暮らす国という
100%受身な動機で始まったコペンハーゲンでの毎日が
新鮮な驚きと、時には目から鱗の学びの場となってくれたのです。
言葉など出来なくても何とかなる。ケ セ ラ セ ラ♪という気分で、
呑気に構えていた事が、かえって良かったかもしれません。
ホームシックになる暇などない日々、新鮮な出会いと出来事の
連続だったような気がしています。

⚫︎お土産はローラースケートシューズ。
デンマークに移住すると決まってからのてんてこ舞いの中。
大きな荷物の別送手配を済ませた後、最後にトランクに収めた
家人へのお土産は、選りに選ってどっしりと重たいローラースケート靴でした。
何故そのようなものを選んだのか?我ながら不可解ですが、
当時の私が一生懸命心砕いた結果と思えばイジラシイ。
言っておきますが、彼は別にスケートが得意でも興味がある訳でもない。
ただ単に私の閃きによる代物でした。
しばらくの間、私がオフィスに行くとローラースケートで出迎えてくれ、
ああ、喜んでいると思っていましたが、
実は窓から私が来るのを見かける度、慌てて履いていたというのですから
気の毒な事をした、と思っています。

⚫︎どこへ行くのも自転車。
出発前に国際免許も取得して意気揚々としていた私に
専用の車がオフィスに届いたという知らせです。
喜び駆けつけると、なんとオフィスの中庭で私を待っていたのは、
赤いリボンで飾られた一台の自転車なのでした。
メリーポピンズが乗っていそうなクラシックな自転車。
こまめに漕ぐママチャリと違って一度踏み出すとグワーンと進んでしまう。
慣れるまで何度か痛い目に遭いながら、しかし、それからはどこに行くにも自転車。
健康と経済という両面でも大いに役立ってくれました。
思えば、当時からデンマークは自転車大国でした。

⚫︎遠くにいるから思えること
こんな北欧の片隅にいるから見えてくるものがたくさんある。
中でも、日本の素晴らしさを再確認できたのは私の人生の中で
最も大きな収穫です。

四季折々の美しい風景、豊かな食文化、豊富でおいしい水、
日本語の奥深さ、表現豊かな文字文化、綺麗好きな国民性、学校給食、
思いつくままに書いてもこれだけある。そして書きながら気づいたのは
何につけても「豊かな国」だということです。
デンマークにも良いところがたくさんありますが、
それについては今までのブログを読んで頂けばある程度伝わるかな?と思います。
1980年台から始まった私のコペンハーゲン暮らしは
これからも悲喜交交を繰り返しながら続いてゆく予定です。

岡村 恭子
http://copenhagensmile.weebly.com/
















全て街角スナップ
コペンハーゲンも心地よい街です。
王立劇場前の広場の花壇。
古い煉瓦造りの古い建物が並ぶ旧市街地。
美しい色使いのファサードで街を彩る。



【きょうのクロスステッチ Vol. 676】 by 岡村恭子

VOL.676 振り向けば半世紀 O&M Design の歩み

onsdag den. 6 september 2023

雨の多かった8月から一転、
秋晴れの気持ち良い天気が続いています。

9月1日。
前日までの雨が上がり、青空が広がりました。
朝から明るい気分でお客様を迎える準備に大忙しです。
今日は家人と相棒エリックのオフィス : O&M designが
スタートして丁度50年目の記念日なのです。
…と、さらりと書きましたが、
家具デザイナーの多いこの国でさえ、そんなに長期間同じメンバーで
仕事を続けているオフィスは皆無だそうです。
ましてやデンマーク人と日本人という、背景の文化も言葉も異なる
二人がこんなに長い年月を共に歩んできたのだと思うと、改めて
よくやってきたなあ、と感慨深いものがあります。

家人がデンマークに来たのは1971年、若干22歳の時でした。
横浜港からナホトカまでは船、ナホトカからウラジオストークまで
ガタガタ揺れるプロペラ機、そこからシベリア横断鉄道で一路
モスクワに。モスクワからフィンランドのヘルシンキ経由という
気の遠くなるような長旅の後、ようやくコペンハーゲンに辿りついた
時には心から安堵したそうです。
飛行機じゃなかったの?と、時代がかった移動手段に驚いてしまいますが、
例えばイッセイミヤケや高田賢三たちもほぼ同時期にマルセイユ経由の船で
パリに入ったと言いますから、当時はまだまだ「洋行」という言葉が
相応しい時代だったのだと思います。

人生とは分からないものです。
デンマークの国立工芸学校に留学した当初は3年間の滞在予定だったのです。
それが、たまたま一緒になったクラスメートのエリックと意気投合、
在学中にも関わらず、デザインオフィスを立ち上げてしまった。
今から50年前の今日、9月1日のことでした。
やって行けるのか?とちょっぴり不安もあったけれど、
アルバイト先のデザインオフィスが図面作成に必要なツールを
好きなだけ持ってゆくように、と励ましてくれたのが力になった。
俄然やって行けるような気がしたと、後に語っています。
初めて仕事依頼が来て飛び上がって喜んだ時の様子など、
青春真っ只中の彼らが新しい一歩を踏み出し、一喜一憂していた姿が
目に浮かぶようです。
私がデンマークに来た頃には、既に多くのメーカーが彼らがデザインした
家具を発表していました。
そんな活動を傍で見ながら、私自身も多くのことを学んできたと
改めて思います。

振り向けば半世紀。
これからも今まで通りよろしく!
岡村 孝 & Erik Marquardsen

さあ、
みんなで二人の歩んできた半世紀と
更なるこれからに乾杯!しましょう。


岡村 恭子
http://copenhagensmile.weebly.com/










全て50周年記念日より
50周年記念のケーキはコレ!
青空の下で笑顔の二人。












当日はオープンハウス形式でゲストもすっかり寛いで
夜遅くまで和やかに過ごしました。



ケーキをカットしますよー!の声でチビたちが集合!



【きょうのクロスステッチ Vol. 675】 by 岡村恭子

VOL.675 デンマーク : 小さな国が大きな力になれるという証。

onsdag den. 23 august 2023

昨日のこと。
バスで出かけたらラッシュアワーでもないのに、
ものすごい渋滞に巻き込まれてノロノロ運転。
夏休み明けの月曜日で仕事始めのせいかなあ、と
首を傾げていたら、夕方のニュースでウクライナの
ゼレンスキー大統領夫妻が訪れていて、国会議事堂周辺が
交通規制されていたためだったと知りました。

デンマーク政府はウクライナにF16戦闘機(全19機)を
供与すると閣議決定し、その受け渡しの調印式を行う為の来訪でした。
(たった19機かと思うなかれ、わずか560万人の小国にとっては
大きな防衛力となってきたのです。)
昨年春、ロシアがウクライナ領土内に侵攻した当初から
フレデリクセン首相はその暴挙を厳しく非難、在ロシア大使館前に
集まった人々の先頭に立って、不法な領土侵犯を即止めるよう
声明を読み上げたほどです。
今回の戦闘機供与に関しては同首相が政府を代表して、
国民の理解に感謝すると共に、この戦争はロシアが他国の領土に
侵攻したことが発端であるということを忘れてはならないと強調しました。
供与される戦闘機はあくまでも防衛にのみ使用されるとのことです。
F16が上空で目を光らせロシア軍の攻撃を防ぐ役割です。

正しいと思ったら躊躇なく実行するデンマーク政府と、
それをバックアップする国民性には感心するし羨ましくもある。
そういえば、コロナパンデミックの際も、
いち早く国境閉鎖に踏みきり、感染拡大を最小限度に抑えることに成功、
国民の信頼を得たことを思い出します。
今回、ゼレンスキー大統領との会見後、
小さい国家でも自由と民主主義を守るための大きな力になり得るのだ、
と国民に向かって述べたフレデリクセン首相の誇りに満ちた
表情が印象的でした。

いずれにしても、戦争は人々を不幸にするだけです。
ロシアの人が悪いのではない。現ロシア政権が悪いのです。
1日も早い終結の道を見出して両国民が以前のように
笑顔で暮らせる日が来るよう願うばかりです。

しかし、です。
日々の我が身を振り返れば、
世界情勢が大きな畝りを伴って動いている時も、
取り合えずはバスの渋滞の方が問題で、冷凍食品が溶けてしまわないか?
ハラハラし、無事に買い物完了してホッと一息…、と
これが私にとっての” 幸い” なのですから情けない。

明日は家族の誕生日会です。
材料も揃ったところでケーキ作りを始めましょう。
ささやかな喜びのカケラを集めると大きな幸せになる、と
しみじみ思う今日この頃です。

岡村 恭子
http://copenhagensmile.weebly.com/







国会議事堂の広場にて。
壇上でスピーチするゼレンスキー大統領。
多くの人がウクライナとデンマークの旗を打ち振って歓迎。
DR.dk より






我が家の庭から市場で買い物。「実りの秋」が色とりどりに山積みです。









スポンジを焼いてトッピング。
今回はチーズケーキも登場。
キャンドル立てて、さあ、お祝いしましょう!



スポンジを焼いてトッピングおまけにお寿司にもキャンドル立てて。



【きょうのクロスステッチ Vol. 674】 by 岡村恭子

VOL.674 デンマークの暮らし 便利な世の中になったけれど…。

mandag den. 14 august 2023

前回の文末に書いた「明日、天気になあ〜れ」の願いが叶って?
今日は快晴、隠れん坊していた夏が戻ってきてくれました。

デンマークは長かった夏休みが終わり新学期がスタート、
通学路に子どもたちの声が響きます。
日本はお盆休みに台風が接近しているとのことですが、
旅行を計画している方はどうぞ安全第一で行動してくださいますように。
遠くに暮らしていながら、こうして最新の台風情報を知ることが出来るのも
インターネットのおかげです。
本当に便利になったと思うのと同時に、使い古した言葉だけれど、
地球は狭くなった!と実感します。

私がデンマークに来た頃は、世界は今よりずっと広く
日本がとても遠く感じられたものです。
今のようにスカイプもラインもない。
日本の家族との連絡手段は電話か手紙しかなかったのですから。
国際電話をかけるには交換手が間に入り繋げてくれるのですが、
通話料金が気になるあまり、気づくと「元気?」などと言い合うばかりで
肝心なことを言いそびれる。まどろこしい思いをたくさんしたなあ…。
慣れないデンマーク語(または英語)で交換手とやりとりする、
あの“ ドキドキ感“ も今となっては懐かしい思い出です。
電話以外の手段はもっぱら手紙です。
手紙の良いのは相手を思いながら、ゆっくりと時間をかけて
伝えたいことを書けるところです。
ただし、その気持ちが相手に届くまで数日掛かってしまう。
学生時代からの親友とは日記のようにやりとりしていたから
時折り郵便屋さんが束にして届けてくれました。
日付順に読みながら思わず泣き笑い… そして読んだそばから
返事をしたためる。まるでゲームのように楽しかった思い出です。
あれから幾年月。
10年はひと昔というけれど、気がついたら三昔以上のデンマーク暮らし
になってしまいました。もしも、今でも電話と手紙しか方法がなかったら、
さぞかし浦島太郎になっていたことでしょう。
そうならずに済んで本当に良かったけれど、これ以上便利になって欲しく
無いなあとも思う。
少しの不便さと懐かしさも残しておいて欲しい…というのは贅沢ですね。

さて、夕食の支度です。
家人のリクエストに答えてメンチカツを作る羽目になってしまいました。
メンチカツというのは実は他の揚げ物に比べて衣をつけるのが厄介で
なるべくなら作りたく無いのです。が、ご所望とあらば仕方ない。
今回はインターネットで簡単な衣の付け方というのを検索して挑戦。
それによるとレシピはこうです。
1)あらかじめ粉、卵、水少々を良く混ぜ合わせる。(ねっとりした状態になる)
2)1に丸めたミンチを満遍なく塗った後パン粉をまぶす。
…と、画面上では簡単そうですが、実はこれが至難の業で1に塗る段階で
ミンチは見事に崩れてしまいました。果たして、インターネットレシピの
信憑性や如何に?と首を傾げながら、最初からやり直しの夕食作りと相成りました。


岡村 恭子
http://copenhagensmile.weebly.com/







久ぶりに青空が広がった広場にて。
白く流れる雲の下、遊びに興じる子ども達の声が響きます。






我が家の庭から
2度咲きのフューチェラと鉢植えの向日葵。
ミツバチが大忙し!



PM7:00 の庭。芝生に伸びる影が長くなってきました。



てんやわんやで完成したメンカツがこちら。
慌てたから盛り付けも適当。



【きょうのクロスステッチ Vol. 673】 by 岡村恭子

VOL.673 嵐の週末 庭に小さい秋み〜つけた

tirsdag den. 8 august 2023

風の音で目覚めました。
大粒の雨が窓を叩いています。
庭木が大きく揺れています。
試しに窓を開けてみたら勢いよく冷たい空気が流れ込んできました。
嵐と一緒に寒い季節が来てしまったみたいです。
慌てて窓を閉めながら、まだ8月!寒くなるには早すぎる!と
不満たらたら。カーデガンを羽織り浮かぬ気分で朝食を済ませると、
雨ガッパを羽織り長靴を履いて庭に出てみました。
風が鳴くように音を立て庭木を揺らし吹き抜けてゆきます。
大量の雨でグシュンと沈むような芝生、しなだれた草花、
そんな中で庭木の梢に見え隠れする色とりどりの木の実が愛らしい。
赤に紫、白、黄色。何本かハサミで切って水に挿しました。
庭で見つけた“ 小さい秋“ です。
食卓に飾って外の嵐を忘れよう。

急に気温が下がってしまったのも手伝って、冬のことが気になり出しました。
古い住宅なので次々と細かい問題が生じる。その度にメンテナンスの
必要があるのですが、冬が来る前の最優先課題は暖房パネルです。
地域暖房というのは供給ステーションからの熱湯を屋内に取り込み、
使用後はステーションに戻すというサイキュレーションシステムです。
暖房のスイッチを入れると常にパネル内がお湯で満たされている状態です。
とても安全で穏やかな暖房システムですが、昨冬、居間の暖房パネルの
一箇所から水漏れし始めたから、さあ大変!
水漏れを止めるには家中の暖房を止めなければなりません。
真冬にそんなことしたら凍えてしまう。
仕方が無いので水漏れ箇所の下に目立たないように受け皿を置いて
急場をしのぎました。
呑気なもので夏の間すっかり忘れていたのが嵐のおかげで思い出した。
善は急げ!です。いつもお願いしている業者さんに連絡を入れると
夏休みの留守電になっていました。
まだバカンス中の職人さんもいるんだね、と変なところで感心しながら、
そういえば、以前にも職人さんに電話したら本人が出て
プーケットから戻ったらすぐ伺います。というのでビックリ!
バカンス先に繋がってしまったのです。引き続き良い休暇を!と
慌てて電話を切ったことがありました。
とにかく、今度の冬は暖房パネル問題で悩まなく済むよう早めの対策を
施そうと思っています。

林檎が色付いてきました。
晩夏の花、秋明菊も咲き始めています。
夏至の頃、思い切り明るい光を降り注いでくれていた太陽が
少しずつ後ろ向きに遠ざかってゆくようです。
でもね、来週にはお天気も回復するという予報だし、
晴れてさえくれればお陽様はまだまだ明るく輝いてくれる。
明日天気なあれ…。
窓の外を眺めながら嵐が過ぎた後の庭仕事を楽しみにしているところです。

岡村 恭子
http://copenhagensmile.weebly.com/



















全て庭から
林檎が色づき、秋明菊が咲き始めると秋もそこまで。
紫、白、赤い実。色とりどりの小さな秋の色を集めて。



【きょうのクロスステッチ Vol. 672】 by 岡村恭子

VOL.672 デンマークの暮らし アットホームな夏休み。

mandag den. 31 juli 2023

7月最後の日となりました。
長かったサマーホリデーも終わり、
街に日常の活気が戻ります。

灼熱のクレタ島でバカンスを過ごしたお隣さんも
無事に帰宅して、涼しいコペンハーゲンにホッと
しているとのこと。
本当に今年の夏くらい人々が気候変動を実感したことは
なかったでしょう。酷暑の南欧に反してデンマークは
気温20度前後という冷夏です。このまま冬になったらどうしよう?という
心配がよぎりますが、そんな事は今だけそっと棚に置いて、
快適指数のアットホームな夏休みの様子をお伝えしようと思います。

某日。
その日は朝から生憎の雨模様。残念ねえ、という私に
だからこそみんな集めてパーティー!と笑っている娘に、
すっかり世代交代したと痛感しつつ、若い人たちが我が家に
集ってくれるのが嬉しい。私も朝から張り切って手伝いに回ります。
料理自慢が腕を振るう見た目も鮮やかなパーティーディッシュ。
コツを伝授してもらい見よう見まねで盛り付けてゆきながら
手軽な材料でも工夫次第で特別感の漂う一品になると教わります。
主催者側も招かれた側もその場の雰囲気を楽しみながら、
日本でも一時流行った “ ヒュッゲ “ という形容詞がピッタリの
和やかな時間が流れてゆきます。
デンマークではゲストが別れを告げる際も、さっさとおいとまなどしません。
ひとしきり楽しい時間を共有できたことに感謝し合い、
パーティーの一コマを振り返り、そこでまたひと盛り上がりしてから
ようやくお開きとなります。
そうしてゲストたちの姿が見えなくなるまで手を振りながら、
夏休みの思い出の1ページは過ぎて行ったのでした。

また、某日。
お天気も上々のBBQ日和です。
6月は異常乾燥の日が続きBBQ禁止令が出ていたから、
我が家に限らず、みんなも腕がなっていたのでしょう。
夕方、庭に出ていると、どこからともなくお肉を焼く良い匂いが
流れてきます。BBQは男性の役割です。
この時ばかりは一家の男性陣が主導権を握り、
火おこしのコツなど少し威張った風で述べあったりする。
バイキングの末裔たちは少しばかりプリミティブな暮らしに
憧れを抱いているのかもしれません。
次々焼き上がるご馳走に舌鼓を打ちながら会話が弾みます。
明るい季節は庭のテーブルが我が家の食卓なのです。

そうしている間にも夏の日は早足で過ぎ去ろうとしています。
ドア一枚隔てた向こうで出番を待っている秋に
少し待ってね。と言いながら
もうしばらく明るい季節の余韻に浸っていたいと思います。

岡村 恭子
http://copenhagensmile.weebly.com/













サマーパーティーから。
彩りも美しいウエルカムドリンクや
オードブルの製作中の様子。















BBQの日の様子から。
キッチンで下拵えしてから庭に出します。
お肉の焦げるいい匂い。まあだかなあ?
みんなでワイワイと楽しいひと時。



【きょうのクロスステッチ Vol. 671】 by 岡村恭子

VOL.671 中世の王様が残してくれた憩いの場で
      楽しいひと時を!

søndag den. 23 juli 2023

7月もあと1週間となりました。
夏至際から早くも一月が過ぎてしまった。
日照り続きで異常乾燥注意報が出されていた6月とは
打って変わって雨が多く、ここ数日は夏が通り過ぎて
しまったかのような涼しい日が続いています。
おかげで庭はみずみずしく蘇り、葉っぱたちにとっては
恵みの雨といったところです。

そんな気まぐれお天気の合間を縫って、久しぶりに
ステッチハウスのオーナー延江さんとおしゃべりランチを
楽しむことになりました。
今回は彼女のおすすめコースKongenshaveとその周辺、
観光スポットとしても人気のエリアの散策スタートです。
https://www.parkmuseerne.dk/en/parker/kongens-have

⚫︎王様の庭は市民の憩いの場 
現女王の住まいであるAmalienborg( アマリエンボー城)をはじめ、
国会議事堂や市庁舎などコペンハーゲン旧市街地に点在する
主だった建築物は、そのほとんどが1600年台に君臨したChristian 4世の
時代に築かれたものです。その中の一つ、ラウンドタワーも
天文観測のために建造されたもので、回廊式スロープを
クリスチャン4世を乗せた馬車が駆け上ったというのは有名な話です。
その王様が小さなお住まいを作った。それがRosenborg城です。
周辺に堀を巡らせ、庭園では野菜も栽培していたという、
いわゆる中世の要塞的な城塞とは異なり、
こじんまりと愛らしいお城です。

Kongenshaveは、そのお城を囲むように広がる庭園です。
夏休みとあって多くの人で賑わっていました。
そぞろに散歩する人、広い芝生でボール遊びをする子供達や日光浴を
楽しむ人たちなど、のどかな風景が広がります。
豊かに葉を茂らせた菩提樹、栗の木、ブナの木、プラタナス等、
他にも名前も知らない大きな樹木がたくさん!
あれは何の木?… と、首を傾げている私の背後で、
「リンゴ畑が出現!」という元気な声に振り向くと、
本当だ、リンゴ農園のように背丈も枝ぶりも揃ったりんごの木が
たくさん並んでいます。最近造園された「リンゴコーナー」です。
赤くなる頃にまた来てみましょう。

歩き疲れて一休み。
美味しいサンドウィッチが食べられるという園内のカフェで
遅めのブランチです。
生垣越しに爽やかな風が気持ち良い。
久しぶりなものだからおしゃべりが止まらない。
美味しいワインで上機嫌なひと時を過ごし、
公園を通りゆけ、植物園を巡り、最終地点は主婦に戻り、
Torvehallenマーケットでメロンとひまわりを手に、
家路についたのでした。

コペンハーゲン観光の方にも是非オススメしたいコースです。

岡村 恭子
http://copenhagensmile.weebly.com/













全て楽しい散策から
色とりどりの季節の花、大きな樹木、緑の芝生、
手入れの行き届いた園内に立ち入り禁止などゼロ!
全て市民の憩いの場として開放されています。



帰りに立ち寄った植物園にて。
水辺の葦が美しい。水鳥がのんびりと行き交います。



Kongerige have 内のカフェにて。
如何にもご機嫌そうな筆者



【きょうのクロスステッチ Vol. 670】 by 岡村恭子

VOL.670 デンマークの暮らし 夏休みの日々雑記

søndag den. 16 juli 2023

ここ数日、雨が降ったり止んだりの
変わりやすいお天気が続いています。
南ヨーロッパは40°Cを超える記録的な猛暑に見舞われていますが、
幸い、デンマークは熱波の影響を受けず、
気温23°C前後の過ごしやすい日が続いています。
庭にいると、時折り暖かい南風が庭を吹き抜けます。
そんな時はふっと潮風に吹かれたような気にもなって、
広々とした気持ちになります。
今だけは、暗くて寒い冬なんて遠い彼方...なのです。

●言葉は面白い。
長いデンマーク暮らしにも関わらず、デンマーク語をマスターする所か、
簡単な会話ですら未だに悪戦苦闘、親しい人は私の言いたいことを
理解してくれるから助かっていますが、そうでない場合、
特にお医者さまにかかった時など自分の症状をうまく伝え、
先生のアドバイスをしっかり理解できるか?毎回ハラハラドキドキ...。
いざという時は娘のフォローを頼む以外手立てがありません。
私にとってデンマーク語の壁は富士山より高く北極の氷河より厚い。
そこへゆくと幼い子供の脳ミソは柔らかいスポンジの如くです。
聞いたそばから引き出しに仕舞い、必要に応じて自由自在に引っ張り出してくる。
例えば、デンマーク語で数字の9の発音は日本の2と同じ「に」です。
こんなややこしい事もごく自然に理解し、使い分けられるなんて...
本当に羨ましい。

●所変われば品変わる?
突然ですが、ポケットティッシュのお話です。
春に帰国した時のこと、バッグから出したデンマーク製の
ポケットティッシュを面白そうに一枚引き抜いた友達が
ちょっと驚いた顔で「分厚い!」「そうでしょう?!」と私、
そして二人で笑ったのでした。 確かに透き通るように薄い日本のに比べて、
かなりしっかりしています。 2枚重ねで一辺が20cmの小さな紙ハンカチ風です。
これが結構便利なのです。
手などを拭く以外にも、小さなお菓子なんかも包めるし、
外でお弁当を広げた時には臨時のナフキンとしても重宝です。
もう一つ、日本の家だと目の届く所に必ずと言って良いほど
置いてある箱入りのティッシュですが、ここデンマークでは
何処にも見当たらない。
その代わりにキッチンロール(キッチンタオル)が大活躍、
私は窓拭きの最後にもロールをクルクルとして乾拭き用にも
利用しています。 ついでに言うと、屑カゴも目につく場所には置きません。
我が家も、居間とリビングといった家族の集う部屋には置かず、
代わりに私の仕事部屋に大きなカゴを置いています。
家族が集い時には来客を招くスペースはスッキリと整えるよう、
屑入れなどは極力見えない場所に置くのが常識です。

住む国によって言葉も文化も違うけれど、それぞれの良いところを
取り入れて日々の暮らしに取り入れて行けたら
平凡な毎日を何倍も楽しめるのでは?と思っています。

岡村 恭子
http://copenhagensmile.weebly.com/










街角スナップ
ハイシーズンを迎え、街は観光客で賑わっています。
完全にコロナ以前に戻った感じです。
 








庭先のランチタイムも楽しいひと時です。
花壇のバラを水に挿して。



デンマークのポケットティッシュ



【きょうのクロスステッチ Vol. 669】 by 岡村恭子

VOL.669 デンマークの暮らし 町中がスィングする週末。
               筆不精返上の夏。

søndag den. 9 juli 2023

朝から青空が広がっています。
久しぶりの真夏日(=日中25℃以上なる日)という予報に
洗濯物を裏庭に干しました。
夏休みに入り町内はいつもより静かです。
そういえば、お隣さん地中海のクレタ島へ3週間と言っていたし、
みんな思い思いの休暇を過ごすべく家を空けているのでしょう。
言うまでも無く、この私には事さら夏休みはありません。
平均気温23℃湿度10%という快適指数のコペンハーゲンで
いつもと変わらない毎日が過ぎてゆきます。

⚫︎町中がスィングする週末。
今頃になると小鳥の囀りに混ざってどこからともなく
テナーサックスの気持ち良い音が流れてくることがあります。
いつだったか、散歩の途中で鬱蒼とした木立の中から
聞こえてきたこともありました。
ジャズに詳しくない私にも夕暮れ時の少し気だるい音色は魅力的です。
そんな大人の世界が広がるイメージのJazzですが、
コペンハーゲンのJazzフェスティバルは明るく陽気に町中がスィング、
子供からお年寄りまで親しめる夏の音楽イベントです。
芝生の公園では風船を持って楽しく過ごす親子連れで賑わいます。
チビたちがリズムに乗って飛び跳ね、自然とスィングしてしまう。
自由にのびのびと子供らの情操が育てられてゆくのでしょう。
コペンハーゲン、良い街です。

⚫︎懐かしい便り
歳を重ねるごとに無沙汰が長くなってしまった知人などに
連絡しずらくなってきました。
先方の健康状態を案じてしまうからです。
今頃どうしているだろう?つつがなく過ごしているだろうか?
そんなことを思いながら万が一のことを思って連絡しぞびれている。
その中の一人にフィンランド在住の先輩がいました。
まだ狭いアパートに住んでいた頃からの付き合いです。
真夏のヘルシンキで一緒に過ごしたひと時、
離れ小島のレストランでの白夜の夕食、自宅のステアに置かれていた
愛らしい小石たち、彼のまっすぐな性格から出てくる言葉の数々…。
「デンマークの森は優しいね。フィンランドの森は笑わない。
(デンマークはブナなのどの広葉樹、フィンランドは針葉樹)
もっと北に行くと木も生えていない。苔ばかり。
南下してようやく一本の白樺の木に出会った時、
その白樺が風にそよいで、まるで笑っていたよ。」
…そんな詩的な言葉にうっとりしていると、
唐突に「老後はどうするの?」などと超現実的な質問を投げかけてくる。
その飾り気のない人柄が一層好ましく感じられるのでした。

ひょんなことから彼が日本の故郷に戻って新たな創作活動を
開始したと知り連絡しました。
「お元気そうで何より嬉しい。」…。すると間も無く
「庭のさくらんぼの木はますます大木でしょうか?」
と返信がありました。
嗚呼、お互い元気で何より。ほっと安堵と共に急に彼との距離が
縮まったのでした。

岡村 恭子
http://copenhagensmile.weebly.com/










コペンハーゲンジャズフェスティバルから。
お天気に恵まれて、オープンエアのステージは大人気。
大変な混雑ぶりでした。






大人っぽい素敵なカップルの姿が印象的。



我が家の庭より
紫陽花が咲き始めました。



大きくなり過ぎたライラックの枝払い中。



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