2015年10月~12月

【きょうのクロスステッチ Vol. 309】 by 岡村恭子


VOL.309 Louisiana Museum 探訪 その2
      ソーシャルプラットフォームとしての役割

torsdag den. 1 oktober 2015

先週は延江さんのブログ更新を楽しみにしていた一週間でした。
素晴らしい作品やワークショップ風景などの写真から会場の様子が
手に取るようで、私も仲間入りしているような気分になれました。
延江さん、お疲れさまでした。
来年の事を言うと鬼が笑うかも知れないけれど、それを承知で…
みなさん!どうぞ来春のオープンステッチハウスもお楽しみに!

さて、草間彌生の特別展で久しぶりに出かけたLouisiana 近代美術館。
行く度にイイなあ…と思います。
こじんまりとした入り口を入ると左右に翼を広げるように新旧の建物が
連なる。勾配を巧みに利用した変化にとんだ空間が広がります。
文字通り “ 奥が深い “ 建物です。両サイドガラス張りの回廊を歩きながら
外に目をやると芝生の庭に大きな木々がゆったりと葉を茂らせています。
フローリングの床は静かだし窓枠も木製だし…個人住宅のような温もりの中、
の〜んびりとジャコメッティの彫刻などを鑑賞して、そろそろ一休みしようかと
庭に出た途端、突然のように眼前に海が開けます。そのドラマティックな
展開に毎回感動します。
海峡の向こうにスカンジナビア半島が望める広々とした芝生の庭。
お天気が良い日にはみんな日光浴をしています。こうなると美術館というよりも
公園という感じです。もちろん、芝生に寝転んでも叱られません。
芝生の勾配を子供達がかけっこしています。ハイスクールの生徒たちが
ベンチに腰掛けて憩っています。その横を車椅子の人がゆっくりと通り過ぎます。
みんなが思い思いにルイジアナでのひと時を楽しんでいる…。
私にはそうした情景全てが印象派の絵画のように映ります。
広い空を背景にしたカルダーの色鮮やかな赤いモビールやヘンリームーアの
大きな石の彫刻、少し目立たない場所にさり気なく置かれたイサムノグチの石彫、
という具合に庭全体が彫刻美術館にもなっていて、いずれも心憎いばかりに
巧みなレイアウトで置かれています。
美術館というと荘厳な建物で物音を立てたら叱られそうだし、襟を正して
きちんと鑑賞しなければならない、という先入観念に捕われがちな私でも
Louisianaは大丈夫!と思える。全ての人が楽しめる雰囲気に包まれています。
子供の為の芸術教室も有り、毎週開かれるワークショップには沢山の子供が
参加します。その日、キッズルームを覗くと次回のワークショップ用に
Yayoi Kusamaの『パンプキン』を象った粘土のミニチュアを撮影していました。
粘土のカボチャを作って “ Yayoi Kusamaを知る子供達 “ …というのも如何にも
ルイジアナらしい。全ての人に開かれた美術館という言葉がピッタリします。

美術館はみんなの財産、ソーシャルプラットフォームとしての役割を果たす、と
いう創設者 Knud W. Jensen の言葉を継承している証だと思います。
http://www.louisiana.dk/


岡村 恭子
http://copenhagensmile.weebly.com/





ルイジアナのランドマークでもあるカルダーのモビール



生の向こうに突然の様に海が広がるダイナミックな景観



庭にジャコメッティのコレクションでも有名です。









キッズコーナーにて。丁度作品が完成したと自慢する少年。
Yayoi Kusama展に合わせたカボチャのワークショップ用撮影風景。






Yayoi Kusama展の水玉コラボ用のシール(VOL.307参照)をボディーに貼って自慢して見せてくれました。
係の人に注意される事も無く「それもイイねえ」という感じです。

【きょうのクロスステッチ Vol. 310】 by 岡村恭子


VOL.310 こんにちは!お隣さん

torsdag den. 8 oktober 2015

おかえりなさい、延江さん!
イベントの余韻さめやらず夢見心地でボーッとしているかな?と思いつつ、
ブログを覗いたら、すっかりデンマークモードに戻ってお散歩してますね!
さすがです。

今日はものすごい風の一日でした。自転車に乗ったら飛ばされそうになって、
クワバラクワバラ…、こういう日は家で過ごすのが一番です。でもね、
つい先日まで信じられないくらい良いお天気が続いていたので、
たまにはこんな日が有っても許せます。リンゴも真っ赤に実ったし、
窓を開け放ってお掃除したり、散歩したり、庭先でお茶を楽しんだりして
秋の陽射しを満喫したし、明るいというだけでみんなゴキゲン!でした。…と、
過去形になってしまうのがちょっと淋しい。
北欧に暮らしているとどうしたって日照時間に敏感になってしまいます。
そうこうしている内に刻一刻と太陽は遠ざかり、日増しに夜の闇が深くなって
ゆくのです。だから晴れるとそれだけで幸せ!
…そんな明るい週末の昼下がりのことです。
可愛い子供の声が聞こえてきました。新しく引っ越して来た隣家の女の子です。
以前、通りで軽く挨拶したきりで気になっていたのですが、意外と顔を合わせる
チャンスというのが巡って来ない。
日本ならさしずめ先方が引っ越し蕎麦を配りに来るところでしょうが、
デンマークにはそのような習慣がありません。大抵の場合、少しずつ、
何気なく知り合って行くという感じなのです。このまま冬になったら
ますます顔を合わせる事が無くなりそう…、気になるなあ…。
その日は家族が庭にいる様子です。心無しか声高に話しているようです。
彼等も同じような気持ちで合図を送っているのかも知れない、それなら…と、
私の方からリンゴ摘みに来るよう声を掛けてみることにしたのです。
案の定、待ってました!というようにニコニコ笑顔で遊びに来てくれました。

奥さんのサンヌとご主人のキャスパー(二人ともまだ30代)
そしてクローニーちゃん3才。
聞けば、彼は建築家で日本にも行った事があるというではありませんか。
日本大好き!また行きたい!と言えば、脇から彼女も行ってみたい!と
大いに盛り上がりました。
おしゃべりしながら思ったのです。そうか、そうよねえ。我が家のメンバーは
何の疑問も無くこの家に暮らしているけれど、彼等から見れば外国人の家族。
色々とアレコレ思っていたのかもしれません。

その夜、隣家の灯りがとても親しみを持って感じられました。
仲良くなれそうな予感です。



岡村 恭子
http://copenhagensmile.weebly.com/









初晴れのコペンハーゲンの風景から。紅葉が始まりました。
風のない穏やかな日はそれだけで幸せ!



今朝の庭から。低温多雨の夏だったお陰で紫陽花が長持ちしています。



秋になってからカラリとしたお天気が続き、リンゴが真っ赤になりました。豊作です。



冬になる前に外回りのメンテナンス。古い住宅なので常に何かしら手入れが必要です。

【きょうのクロスステッチ Vol. 311】 by 岡村恭子


VOL.311 カナ猫の七不思議

torsdag den. 15 oktober 2015

今週は秋休み、けれど空はどんより曇り空。日中の気温10℃。
予報では「茸採りに相応しい良いお天気になる」はずだっったのに、と
低く重い空を見上げて家人と二人溜め息まじりです。
こんなに小さな国なのにどうしてこうも予報が外れるのか?と
思うけれど仕方が無い…。
雨の降らないうちに今年最後の芝刈りを済ませ、オリーブの鉢植えを室内に
取り込み、庭も少しずつ冬ごもりの準備です。
昨夜はこの秋初めて煖炉も焚きました。薪の爆ぜる音、赤く揺らぐ炎、
そして、薪の燃える匂い…素朴な暖かさを演出する北欧の冬の必須アイテムです。
こうして北欧の秋は瞬く間に冬へと移行して行くのです。

ところで、みなさまが気にかけて下さっているカナ猫のその後ですが、
先週末に再度のご帰還です。今回は約3ヶ月のご無沙汰でした。
『帰って来たカナ猫』と題して書いたのが5月、
https://www.stitchhouse.jp/hpgen/HPB/entries/1152.html
以来、気の向くままに来たり来なかったり…。ある明るい夏の朝、ミルクの
お代わりを催促して美味しそうに飲み干すと伸び一つ、また放浪の旅に出て?
その後は音沙汰なく10月になってしまった。しかし、この時期は
凍える心配も無いし、人間どものBBQのお残りにもありつけるだろうし…と、
余り気にも止めずにいました。何しろ一年以上も音信不通だったという
“ 前科 “ がありますからね、ひと夏のご無沙汰などは大した事ではありません。
ミルクが恋しくなったら戻って来るだろうとタカをくくって知らん顔。
気にしない!気にしない!…とは思っているものの、習慣というのは面白いもので
毎朝必ずカナ猫の座る場所を覗いてみる自分がいます。その度に少し
ガッカリするけれど、しかし深層心理を自己分析するとどうやら
「どうせ居ないに決まっている」という確信に近い気持ちがあって。
だから、その朝カナ猫の指定席に思いもかけず懐かしい姿を発見した時の驚きは
以前の1年半ご無沙汰時に匹敵するくらいのビックリ!でした。
その時の私の正直な心境は「シマッタ!またしても意表をつかれた!
カナ猫恐るべし!!」です ^_^
気のせいか人相(猫相)が険しくなって一人前の “ 野良 “ の風貌に成長していました。
それから3日が経って…。
今日も何食わぬ顔をしてやって来て指定席でミルクを待っています。
人間とノラ猫一匹、今回は一体いつまで一緒にいられるのでしょうか?
取りあえずはキャットフードを買いに走ります!



岡村 恭子
http://copenhagensmile.weebly.com/





ほうら、やって来ました。ギザギザ千切れた茶色の耳。まぎれも無いカナ猫です。




3ヶ月振りに姿を現した日。顔も毛並みもホコリにまみれた印象でした。



それから3日後。気のせいか身ぎれいになりました。



5年前の誕生日に買ったオリーブ、ずいぶん大きくなりました。



今朝は久しぶりに晴れました。秋の陽射しが気持ち良いです。


【きょうのクロスステッチ Vol. 312】 by 岡村恭子


VOL.312 子豚の災難?! デンマークのパーティー事情

torsdag den. 15 oktober 2015

ステッチハウスのページにアップされた可愛らしいクリスマスアドベンツを
眺めながら、いよいよクリスマスシーズン間近!という気持ちの一方で、
もうクリスマス?と驚いてしまいます。それくらい一年経つのが早い!早い!
年明けに今年こそ!と誓った「面倒がらずにマメに暮らす」という
(家人に言わせたら目標ではなく当たり前の事) “ 簡単な目標 “ でさえ
達成出来るのか?はなはだ疑問のまま今年もあと2ヶ月ちょっと…
少々慌てます。

さて、相変わらず家の中をバタバタとマメに?動き回っていた秋休みの一日、
とあるデザインレセプションのパーティーに招かれて行って来ました。
デンマークの人はパーティー大好き&パーティー上手。招く方も招かれる方も
慣れていてその場を楽しく演出し和やかに過す名人ぞろいです。
主催者側はテーブルをコーディネートしたりお料理を工夫したり、
あれこれとアイデアを絞りお客様を迎えます。招かれた方はというと、
それはもう何と言ってもその日のメニューが最大の関心事です。
最近は日本の “ SUSHI “ やフランスと北欧をミックスしたフュージョン料理
など目先の変わったお洒落なメニューが人気だそうです…と、パーティー情報には
めっぽう詳しいけれど、実際にはなかなかそういうチャンスは巡って来ない。
そんな “ マメな主婦 : 恭子 “ に久しぶりにお声がかかったのです。それはもう
人一倍興味津々&楽しみ倍増で、どんなご馳走かな?とお腹をすかせて行くと…?!
何と!ブタの丸焼きでした。聞けば約35kgの子ブタちゃんです。
会場の外に設置された大きなグリルに気持ち良さそうに?寝そべって、
こんがりロースト中。早くも豚肉の焦げる良い匂いが立ちこめています。
この奇抜なアイデアにみんな大喜び、もちろんワイワイと美味しく頂きました。

ところで、今回のパーティーでメニューの主役を演じた豚肉は酪農王国デンマーク
ご自慢の特産品です。家庭ではまさか一匹丸ごととは行きませんが、
皮付きのローストポークはデンマークのクリスマスの代表的なご馳走の一つです。
我が家でも寒い季節のおもてなし料理として度々登場します。
皮付き豚ロースのブロックを気長にオーブンで焼き上げるこの料理、
皮をパリパリにこんがり焼き上げるのがコツで、家庭ごとに秘伝の方法が
受け継がれる、まさにデンマークの伝統料理。
今年もスーパーマーケットに皮付き肉の大きなブロックが並び始めました。
週末のご馳走にしようかな?… マメな主婦?の腕の見せ所、がんばります!



岡村 恭子
http://copenhagensmile.weebly.com/





ワイルドなメインディッシュ。こんがり焼き上がって来ましたよー。



食事の間にはジャズライブ。



我が家の食卓から。 これがウワサの?皮付きローストポーク。
キャラメルで絡めた甘いジャガ芋を添えて。



我が家のテーブルから。晩秋の紫陽花が食卓を彩ります。


【きょうのクロスステッチ Vol. 313】 by 岡村恭子


VOL.313 文化の秋 : Learning from Japan展より

torsdag den. 29 oktober 2015

冬時間になりました。
昨日の朝7時がまだ6時、時計の針を一時間戻した日は少しのんびり
朝寝坊できます。その代わりに昨日の夕方7時は今日の6時ですから
早々と暗くなりその分夜が長く感じられるという、何ともキツネにつままれた
ような妙な一日になります。次の日からはすっかり慣れてしまうものの、
いつまでたってもこの時間切り替え日は調子が狂ってしまいます。

ところで、調子が狂っているのは私だけでは無いらしい。
どうやら庭の草花も今年は調子狂いっぱなしのようです。
低温多雨の夏の後に続いて平年よりも暖かい9月、10月とメリハリの無い
異常気象のお陰で、いつもならとっくに枯れてドライフラワーになっている
はずの紫陽花が遅すぎる花を付けたり、花壇のラベンダーもまだ元気に花を
咲かせていたり、毎年9月末には真っ赤に紅葉するツタは赤くならずに
黄緑色のまま落葉していいものか?と未だに悩んでいる様子です。
そういえばミツバチも少なっかたし、蜘蛛の数もとても少ないような気がします。
代わりに増えたのが見た目は可愛いけれど葉っぱを食べ散らかすカタツムリ。
地球温暖化と多雨の気候変化は我が家の小さな庭にも影響していると実感します。
それでもやっぱり季節は確実に冬に向かっている訳で、草花の冬ごもり準備は
怠り無く。ゼラニウムを全て植木鉢に移して室内に取り込み、チューリップの
球根を適当な場所に埋め込んでホッとひと息、あとは落ち葉掃きを残すのみ、
今シーズンの庭仕事はほぼ完了です。

そんな “ ホッとひと息の週末 “ 、家人と連れ立って工芸博物館
http://designmuseum.dk/)に行って来ました。
興味深い特別展が始まったばかりなのです。その名も『Learning from Japan』展。
まずこのタイトルに驚きます。思えば家人も北欧の家具デザインに憧れて
デンマークに留学したのが家具デザイナーになった切っ掛けです。言い換えれば
『Learning from Denmark』だったわけです。そのデンマークが
「日本から学んだよ」と言うのですから「目からウロコが落ちる」とはこの事です。

1873年といいますから今から300年以上も昔からデンマークの人々は
遠い日本に憧れ、日本の伝統文化工芸から様々な事物を学び影響を受けて来た
のだそうです。同展では歴史を振り返りながら貴重なコレクションを展示、
それと平行してデンマークの工芸品の数々が並びます。
現在、世界に知られるデザイン王国=デンマークが実は日本文化に影響を受けた
のだと丁寧に説明しています。同展の “ ズバリ!” 的なタイトルは取りも直さず
自らの自信の裏付け、相手をリスペクトする気持ちを素直に表現している。
デンマーク人の正直な良い性格がタイトルに現れていると思いました。
2017年には日本とデンマークが友好条約を結んで満150年になると
いうことですが、みなさまの大好きな北欧刺繍も両国の人々が長い年月をかけて
繋げてきた文化交流の一つ、これからもきれいな色糸で二つの国を結んで行って
欲しいなと思いました。



岡村 恭子
http://copenhagensmile.weebly.com/





工芸博物館の入り口には大きなJAPANというポスターが!



大きな壷は2007年デンマークの陶芸家作。右横は1300年代の越前焼き。



デンマークの家具が畳に違和感なくとても良く似合っています。











工芸博物館の中庭から。
落ち葉の舞う晩秋の庭に赤い蔓バラと黄色い可憐なクローバーが咲いていました。

【きょうのクロスステッチ Vol. 314】 by 岡村恭子


VOL.314 暗闇にご用心?!

torsdag den. 5 november 2015

このページを作成するにあたっては毎週木曜日に文章と写真を送信→
延江さんが金曜日の朝までにステッチハウスのページに更新!
というお約束です。 東京でイベント開催中の時などは忙しくて
無理だろうなあと思いつつ送るのですが、いつだって予定通りに更新されて、
さすが延江さん!なのです。
私はというと、毎回文章を送ったそばから次回はどんなお話にしようか?と
考えながら家事をしたり、四季折々の庭の写真を撮ったり、のら猫カナちゃんの
様子を観察したりしている内に忽ち一週間が過ぎてしまいます。
さて、今週は「世界一幸福な国」ランキング一位のデンマークでも
時々こんな困った事が起こります。というお話をひとつ。

架橋工事もメトロ工事も延期につぐ延期で年がら年中工事中…というのには
もう慣れっこで大抵の事には驚かないけれど、それでも時々首を傾げたく
なる事があります。本日只今首を傾げているのは町内の街灯工事です。
先日、家人と一緒に家具展に出席して少し帰宅が遅くなった時のことです。
日増しに暗くなって来た事を実感しながら、それにしても何だかいつもよりも
ずっと暗い…と脇道に目をやると、何とまあ!脇道の歩道が真っ暗ではありませんか。
その数日前に街灯ごと電信柱を取り払ってしまったのは知っていましたが、
臨時の照明を設置していないので本当にまっ暗闇、植え込みの陰から見える
家々の窓辺の明かりだけが頼りです。省エネ対策の一環としてコペンハーゲンが
力を入れている街灯のLED変換工事が今頃になって我が町内に、その順番が
回って来たのです。お陰で一定間隔に穴を開けた歩道は凸凹で足元注意!
のまま新しい照明灯を設置したところで何故か工事がストップして、
かれこれ一週間が過ぎました。
幸い我が家の玄関は大通りに面しているので今の所直接の影響は無いのですが、
安全安心がモットーのコペンハーゲンでこのような状態が続いていて
良いはずはありません。真夏の明るい季節にすれば良かったのに…、
どうして日増しに暗くなる時期にこんな工事をするの?と首を傾げっぱなしです。
気にして庭越しに裏通りを眺めていますが残念ながら今夜も裏道は真っ暗。
新しい街灯が『花の名前の散歩道』を明るく照らしてくれるのを心待ちにしながら、
https://www.stitchhouse.jp/hpgen/HPB/entries/1168.html
当分の間、夜道を歩く時には懐中電灯が必要のようです。


岡村 恭子
http://copenhagensmile.weebly.com/









先日行った家具の展示レセプションは彫刻に囲まれた不思議な空間で行われ、
家具よりも石膏像に魅入ってしまいそうでした 。







晩秋のコペンハーゲンから。
落ち葉の舞う公園、並木道、絵心があればキャンバスに描きたい北欧の風景です。

【きょうのクロスステッチ Vol. 315】 by 岡村恭子


VOL.315 お誕生日の歌を唄おう!

torsdag den. 12 november 2015

落ち葉掃きが日課の今日この頃、
今日も今日とて庭の落ち葉を片付けてホッと一息入れていると、
… あら?玄関のチャイムが鳴っています。
もう郵便屋さんは来てしまったし今頃誰だろう?
怪訝な面持ちで出てみると、新しく引っ越して来たお隣りさんの
ご主人キャスパーが笑顔で立っていました。
https://www.stitchhouse.jp/hpgen/HPB/entries/1277.html
これから旅行に出るので持って行けないし食べきれないので
手伝ってくれますか?そう言って大きな箱を差し出しました。
まあ、うれしい!もちろん喜んでお手伝いしますとも。
ありがとう!おめでとう!そして良い旅行を!
大きな箱の中にはオレンジとキーウィで彩られたケーキが、そして
その真ん中にChloeの文字。そうなのです。昨日はクローエちゃんの
4才の誕生日でした。
垣根越しに「お誕生日おめでとう!」「ありがとう!」…そんな気軽な
隣人同士になれて喜んでいたら、今度は大きなケーキのお裾分けです。
もっと嬉しくなってしまいました。

デンマークの人々にとって誕生日はとても大切な記念日です。
幼い子供の成長を祝うのはもちろんの事、大人になってからも
友人家族を招いてパーティーを開いたり、毎年夫婦で特別の時間を過ごしたり、
忙しいビジネスマンでさえ職場に誕生日を迎えた本人がケーキを持参して
デスク仲間と珈琲ブレイクのひと時を過ごしたり…、そういう時に
必ずみんなで歌うのが “ お誕生日の歌 “ です。
デンマークには代表的なバースデーソングが2つあります。
両方とも思わず口ずさみたくなるような楽しいメロディーで、
誰もが歌えるハッピーソングの代表です。
歌声に包まれてケーキのろうそくを吹き消す時は 一年に一度のステキな瞬間。

そういえば、デンマークの友人の誕生日に招かれた時の事です。
バースデーケーキを切り分けながら彼女が私に聞きました。
貴方の国ではではどんな歌でお祝いするの?日本のバースデーソングを教えて!
…?!えっ?うう〜ん、困った。Happy Birthday to you♪?…かな?と、
力なく答えたあと、どうして日本にはバースデーソングの決定版が無いのだろう?
と不思議になったのを思い出しました。
そして、Chloeちゃんのバースデーケーキを頬張りながら、みんなで一緒に
歌える” お誕生日の歌 “ があったらどんなに楽しいだろうと思いました。
みなさまはお誕生日にどんな歌を唄いますか?
やっぱり Happy Bierthday to yuo ♪ でしょうか?


岡村 恭子
http://copenhagensmile.weebly.com/





オレンジとキーウィーでフリルのようなデコレーションがオシャレ!




デンマークのお誕生日に欠かせないのがバースデーソングと紅白の国旗です。
日の丸もこうするとカワイイですね。



玄関わきの大きな葉のツタです。
今年は暖かいせいか赤く紅葉せず数日前の強風でようやく散りました。



窓辺は冬の間の温室代わり。ゼラニウムは全部で20鉢にもなりました!

【きょうのクロスステッチ Vol. 316】 by 岡村恭子


VOL.316 私の気分はエトランゼ

torsdag den. 19 november 2015
少し早めですが、
今年もステッチハウスのお二人と年末のご挨拶、そして
楽しいおしゃべりのひと時を過ごしました。

コペンハーゲンの旧市街地周辺は古い街並がそのまま保存されているので
道が微妙にカーブしています。目的地に向かっているはずが思わぬ方向に
進んでしまい、未だに、アララ?自分は今何処に?というような
『急性方向音痴』になってしまうことがあります。でも、そういう時に
思いがけない “ 不思議発見! “ 的な楽しみもあったりして、
https://www.stitchhouse.jp/hpgen/HPB/entries/1140.html
まだまだ知らない通りや普段見過ごしてしまっている場所が
沢山あるに違いない!…そんな事をつらつらと思いながら、
約束のカフェの有るSkindergadeへ。延江さんの家のご近所です。
彼女は旧市街地の中心に暮らす、さしずめコペンの “ GINZAっ子 “ 、
私も一応コペンハーゲンですが、ちょっとばかり外れてしまう。
距離的にはほんの少しだというのに、ストロイエで買い物をして
バスを降り立った途端、吹く風が冷たい!たちまち体感気温が2℃くらい
下がります。旧市街地では積もってなかった雪が我が家の玄関先には
積雪10センチという事もあるのですから、小さな街と甘く思ったら
大間違いなのです。

約束の日は前日までのどんよりした天気から一転、青空が広がり、
ポカポカと暖かい春のような陽気に。最高のおしゃべり日和となりました。
今年初のクリスマスビールと美味しいランチでお腹いっぱいのところへ、
最近出来たばかりのアメリカンパイのお店でデザートを食べよう!という
延江さんの意見に押されて?美味しいハシゴです。
モザイクタイルの床に木製のテーブルと椅子、壁に架かったパイ型。
素朴でアーリーアメリカンなインテリアがとても新鮮です。
西日が眩しい窓辺の席で気ままなおしゃべりのひと時を過ごして、
身も心も大満足の満腹状態です。帰り道は腹ごなしを兼ねて散策しました。
古古き良き時代を彷彿とさせる石畳、築300年の歴史ある建物に、
創作ジュエリー屋さん、王室御用達の製本屋さんなどが並んでいます。
クラシックなファサード、趣のある看板…アンデルセンの物語に出て来る
ような風景の中、延江さんの道案内に頷きながら、まるで私はエトランゼ、
旅人になったような心持ちになったのでした。

素敵なひと時をありがとう!


岡村 恭子
http://copenhagensmile.weebly.com/





居心地の良いカフェでおしゃべり。至福の時。
http://www.cafeflottenheimer.dk/



カフェの日だまりで赤ちゃんを大事そうに抱いている若いママ。絵のようです。



デザートのブルーベリーパイ。ボリュームたっぷり!がんばって食べきりました。



レトロな雰囲気が漂うパイ屋さんの前にて。
http://www.theamericanpieco.com/




ギャラリーや創作アクセサリー屋さんなどが並ぶ小径を散策するのも楽しい。
(因にこの通りは延江さんのご近所です。)

【きょうのクロスステッチ Vol. 317】 by 岡村恭子


VOL.317 11月最後の週末に

torsdag den. 26 november 2015

太陽が東の空から西の空へ地平線を超低空飛行の今日この頃。
晴れた日は直射日光がものすごく低い位置から差し込んできます。
買い物の途中で道路の真っ正面のほとんど地上すれすれの位置に
お日様が輝いているのに出くわすと、もう本当にビックリ!
一瞬目が眩んでしいます。でも、それは良ーく晴れた昼間の一瞬だけ。
午後には早々と太陽が地平編の向こうに隠れてしまいます。
そんな11月も最後の週末、クリスマスイルミネーションが灯されます。
これから3週間、街はどこもクリスマスショッピングの人で賑わいます。

思わず衝動買いに無駄遣い。主婦のお財布のヒモがゆるむのは
年明けと夏休み前のバーゲンシーズン、そして何と言っても今頃の
クリスマスショッピングです。
私がデンマークに暮らし始めた頃は,それは心ときめいて毎日のように
ストロイエ通りに行っては、日本の家族友達へのプレゼントをあれこれ
探しながらウィンドウショッピングを楽しんだものです。
当時は手袋屋さん、帽子屋さん、手作り靴屋さんにパイプ屋さん、そうそう
有名な葉巻屋さんもありましたっけ…。という具合に小さな専門店が軒を
連ねて、素朴だけれどヨーロッパの歴史を感じる趣のあるウィンドウ
ディスプレーに溜め息まじりで魅入っていました。
そんな時にふっとアンデルセンの「マッチ売りの少女」の心境が伝わってくる
ような気がして、母国から離れて暮らす我が身の境遇と重ねてちょっぴり
ホームシックになったりしたのも今となっては懐かしい思い出です。
その当時から比べるとストロエ辺りはずいぶん様子が変わってしまいました。
でも、一筋裏通りに入るとまだまだ可愛らしいブティックが沢山あります。
そういう小さなお店を覗いて歩くのも何だかウキウキして楽しい。
チボリ公園もクリスマスオープン!家族連れで賑わいます。
ここ数年暖冬でホワイトクリスマスは望み薄ですが、それでもイルミネーション
が灯された目抜き通りは夕暮れとともに一層キラキラと輝いて、
いつもの街並みが見違えるように華やぎます。
窓辺のリース、炎揺らめくアドベンツキャンドル、広場に設えれた大きなツリーと
それを見上げる子供の姿、キャンドルを手にルチアを合唱する少女たち…、
まるでステッチハウスのページのクリスマスモチーフとソックリの風景が
あちこちで見られるのも今頃ならではです。

北欧の冬は暗くて寒い。だからこそ輝くクリスマス☆なのかも知れません。


岡村 恭子
http://copenhagensmile.weebly.com/





午後3時半、早くも夕日が沈みかけています。一瞬輝く夕日が美しい。















ストロイエのお店はどこも華やかなクリスマスディスプレイです。
写真はジョージジャンセン本店、イルムス本店より。

【きょうのクロスステッチ Vol. 318】 by 岡村恭子


VOL.318 クリスマスシーズン到来
      愛煙家には悩ましい食後の一服

torsdag den. 3 december 2015

もっぱら家で寛ぐことをモットーにしている家人が仕事帰りや、
友人と立ち寄るデニッシュなバー、通称 “ ベアツフース “ があります。
場所は旧市街地の中心Kgs.Nytorv広場に面した一角、Hvids Vinstuenと
いう古き良き時代の雰囲気が色濃く残る一軒、創業1723年といいますから
300年の歴史を誇る老舗です。
先日は日本から来た友人夫妻と私も一緒に立ち寄りました。

実は彼等は夫婦揃って愛煙家、ところが昨今のコペンハーゲンは何処もかしこも
禁煙です。レストランやカフェはもちろんの事、ホテルや空港ビル内も禁煙!
日本のように喫煙ルームや分煙システムがありませんから我慢するしかない。
どうしても一服したい時は例え真冬の吹雪の日でも外に出なければならない。
その代わり戸外なら何処でも吸い放題?!お陰で歩きながら喫煙する人の多い事、
道路にポイ捨ての吸い殻の何と多い事!私はそちらのマナーの悪さが目に
ついて仕方ないのですが、それはさておき、かの友人夫妻と
ショッピングついでにカフェに入っても一服出来ないのが悩ましい。
我慢してもらうのも気の毒でお互いに気を使ってしまいます。
そんな中で心強い味方が、喫煙ルームのある前述の “ ベアツフース “ でした。

ピカピカに磨かれた真鍮のドアノブを押し開けると、
居心地の良い空間がひろがっています。完璧な空調で全く煙くない。
タバコを嗜まない私も全然苦になりません。
そういえば、マーガレーテ女王様は愛煙家として有名だし、
『プリンス』という王冠がトレードマークのタバコがあるくらいですから
元々デンマークは愛煙家に優しい王国だったのです。
確かに健康には良くないだろうけれど何事も程度問題で、
タバコを嗜むことが一概に不健康とは言いきれないような気がします。
それに禁煙禁煙!と叫んでいる反面、スーパーマーケットで気軽に好きなだけ
買える。42クローネ(約800円)と高価ですが、そのほとんどが税金ですから
愛煙家は高額納税者ということになります。
税収は欲しいし禁煙は推進したいし…という政府のジレンマが丸見えね、と
私は思うのですが…。
これからのクリスマスシーズン、ワインとご馳走に舌鼓を打った後、
食後の一服がお楽しみ!という愛煙家にはちょっとお気の毒なデンマークの
タバコ事情です。


岡村 恭子
http://copenhagensmile.weebly.com/





美味しそうなボトルがずらりと並ぶバー。でも店内は禁煙です。







分煙ルームで静かに憩う人々、図書館や書斎にいるようなゆったりとした空気が漂います。



クリスマスシーズン の食卓。我が家ではもちろん食後の一服もOKです!

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アンティーク&ヴィンテージ

スウェーデンより北欧ヴィンテージ雑貨を扱うショップのご紹介。ジュエリー、テキスタイル、手芸中古書もあり。センスの良さは抜群です。秋田市に実店舗もあります。
http://www.antique-vintage.net

<姉妹店 マリリア>

ジョージ・ジェンセン、トロールビーズ、ロイヤルコペンハーゲンをはじめシンプルで感性の高い北欧デザインをご紹介しています。www.mariliadk.com

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