きょうのクロスステッチ
【きょうのクロスステッチ Vol. 771】 by 岡村恭子
VOL.771 デンマークの暮らし 今年最後のページに寄せて。
子供の夢を育むデンマークのXmas
ひと月ほど掲載をお休みしている間に12月も半ばとなってしまいました。
Xmasシーズンだというのに嘘のように暖かい毎日が続いています。
庭の隅っこでは春が来たと勘違いした小さな花が咲いています。
今日も10℃まで気温が上昇、思わず着ていたセーターを脱ぎました。
身をすくめるような寒い冬が恋しい今日この頃ですが、
それでも12月1日から24日まで毎日がXmasです。
屋根裏部屋では今日も赤い帽子を被ったNisse達(=北欧伝説のXmasの妖精)が
愉快なことを企んでいるに違いない。
⚫︎子供の夢を育むXmasシーズン
MちゃんはXmasが大好きな4歳の女の子です。
毎朝幼稚園に行く時には赤いNisseの三角帽子を被って出かけます。
今日こそ自分の番かもしれない!
そう思っただけで小さな自転車を漕ぐ足にも力が入ります。
幼稚園に着くと仲良しが待っていました。
今日キャンドルに火を灯すのは誰かなあ?
みんなワクワクしています。Mちゃんもドキドキしています。
1から24までの数字が刻まれたXmasキャンドルを毎日その日の分だけ灯し、
少しずつXmas本番が近づいて来るのを心待ちにするのです。
残念ながら今日もMちゃんの番は回ってきませんでした。
きっともうすぐでしょう。
12月に入った最初の日曜日、外に出ようとドアを開けたMちゃんは
ドアノブに何かが掛かっているのを見つけました。
なんだろう?… Xmasの包装紙の中から出てきたのはピンク色のヘアバンドが2つ。
ママが包みを開けながら「可愛い姉妹に、Nisseより」と書いてある、と
教えてくれたからMちゃんはびっくり仰天!やっぱりいた!
屋根裏部屋にNisseはいるんだ!
次の日曜日にはクレヨンとチョコレートでした。
もう疑う余地はありません。絶対にNisseが住んでいる。
Mちゃんは天を見上げて「ありがとう」と呟いた。…と、こんな話を聞いたら
大抵の人はそれは両親に決まっていると思うだろうけれど違うのです。
実は上階に暮らすミセス・ジューンが密かにNisseを演じてくれていたのでした。
会えば笑顔でMちゃんに話しかけてくる “ ジューンおばちゃん“ です。
Xmasまであと2回、日曜日のプレゼントを思案するミセス・ジューンと
ドアを開けるのを楽しみにしているMちゃん。二人のワクワクドキドキは続きます。
こうして子供の想像力を掻き立てるデンマークのXmasシーズンは
クライマックスに向かってゆくのです。
この国に暮らして知った暗い季節を明るく過ごす最大の工夫は
まさにこのようなほんのちょっとした日々の中にありました。
人々がお互いを思いやり、ささやかな楽しみを見出して過ごす。
デンマークのXmasシーズンは “ 一年で最も暗い日=冬至 “ を
忘れる術でもあるのだと合点したのです。
さて、悲喜交々、色々と有った2025年も残りわずかとなりました。
「きょうのクロスステッチ」も今年最後のページです。
この一年ご愛読ありがとうございました。
来年も引き続きささやかな日常の出来事などお伝えできれば幸いです。
みなさまも素敵なXmasと明るい新年を迎えられますように…。
Merry Christmas 🌲 & Happy New Year 2026 🎍
岡村 恭子
http://copenhagensmile.weebly.com/

今年も美しくライトアップされたホテルdAngleterre。

コペンハーゲン中央駅の大きなツリー。

ロイヤルコペンハーゲンのXmasテーブルディスプレイ。

お花屋さんの店先もクリスマス一色です。


我が家にずっと居る小さなNisse達。
ちょっぴり頑固親父的なNisseとスキーで遊ぶ子供nisse。
毎年Xmasシーズンになると家のどこかに現れます。

某日、みんなでXmasキャンドルを作りました。
写真は筆者作。枯れた紫陽花がイイ感じ、と自己満足。




