きょうのクロスステッチ
【きょうのクロスステッチ Vol. 743】 by 岡村恭子
VOL.743 2025年春の日本紀行 横浜駅周辺の思い出
onsdag den. 9 april 2025
ただいまー。
夕方5時を回ったというのに昼のように明るい!
そういえば夏時間に切り替わったばかりだと気付きます。
荷物を置くと2人して庭に出てみました。
折りからのポカポカ陽気に庭木が芽吹いて萌葱色に染まりかけ、
水仙にヒヤシンス、ムスカリに芝桜など春の花が今を盛りに咲いている。
お帰りなさい… と言っているみたいで嬉しくなる。
東京での最後の数日は残念ながら冷たい雨に見舞われ、
予定していたお花見はできなかったけれど、
たくさんの出会いと嬉しい出来事に彩られた思い出深い日々となりました。
⚫︎横浜駅周辺物語り
羽田からリムジンで横浜駅まで約30分。
私たちを含めて数人だけのひっそりした車内。
前日までコペンハーゲンにいたのを不思議に思いながら
窓の外に広がる景色を追い続ける。
左手に東京湾と赤茶けた鉄パイプが林立する京浜工業地帯を過ぎると、
やがてベイブリッジ、みなとみらいの景観が迫ってくる。
ダイナミックな光景に一気に覚醒、さあ、俄か横浜っ子11日間の始まりです!
少女時代を横浜で過ごした私にとって故郷のような土地とはいうものの、
かつて暮らしていた家は跡形もなく親類縁者も今はもういません。
それでも通学路になっていた横浜駅西口から三ツ沢の丘に伸びる坂道は
思い返しても懐かしい。家人と歩いてみようと思って楽しみにして
いたけれど周辺の地域開発は凄まじく、残念ながらかつての面影は
ほとんど残っていませんでした。
わずかに高島屋デパートがほぼ昔の姿のままでホッとしたり、
雑踏の地下街をキョロキョロしている時に有隣堂という書店を見つけ、
学校の帰りに寄り道していた本屋さんだ …ということは、そうだ、ここが
「ダイヤモンド地下街だ!」と、かつての名称を思い出したらもう止まらない。
高島屋に隣接して南北に細長い商店街にはフルーツパーラーの水信と
ジャーマンベーカリーという洋菓子屋が並んでいた、その商店街を我が家では
「名品会通り」と呼んでいたなあ…と、連想ゲームはエンドレスです。
ジャーマンベーカリーのアイスクリームは当時としては珍しいコーン入りで、
まとめて買うと丸い穴のくり抜かれたボックスに入れてくれて、中蓋をし
その上にドライアイスを乗せてから上蓋をする。最後に少し太めのリボンでキュッと
縛ってくれるのでした。そこから家まで一駅、帰宅するとアイスクリームを
舐めるより先に水を張った洗面器にドライアイスを浮かべてブクブクと音を
立てながら解けてゆくのを面白がったものです。
当時西口界隈の飲食店の氷を一手に引き受けていた
クラスメートの家の製氷場があった辺りも歓楽街と化し昔の面影は皆無、
再開発の槌音高い周辺のビル群を見上げて、
もうとっくの昔に私の知る“ 横浜“ は終わっていたんだね…。
しみじみと思ったのでした。
岡村 恭子
http://copenhagensmile.weebly.com/

高島屋のマークが昔の名残りを残すのみとなった横浜駅西口界隈

かつて東横線の線路だった所を遊歩道には名残のレールが。
東急ホテルの跡地はYOKOHAMA FRONTに。



JR桜木町駅からゴンドラでみなとみらいへ。




