Flora Danica

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◆Flora Danica
◆Henning Knudsen
◆25.5x32.8cm　厚さ5.6cm　608ページ 4kg
◆デンマーク語
◆初版2019年、再販2021年6月（表紙の柄変更あり）
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本の紹介文より

「フローラ・ダニカ」は、植物界を描いたに世界で最も野心的な作品のひとつです。この作品は、デンマークの植物に関する知識を一般の人々に広めることを目的とした、18世紀の本格的プロジェクトでした。科学者、銅版画家、挿絵画家たちの協力によって、123年以上の歳月をかけて制作されました。

「フローラ・ダニカ」は、自然についての知識を通じて人々の生活環境を改善するという啓蒙思想に基づいて生まれました。1753年にフレデリク5世にデンマークの総合的な植物誌の出版を提案したのは植物学者G.C.Oederでした。「フローラ・ダニカ」以前にも、国王の依頼による小規模な植物図鑑は数多く出版されていました。1648年、医師であり植物学者でもあったシモン・パウリは、クリスチャン4世の依頼により、同じく「フローラ・ダニカ」と題された小著を出版しました。この「フローラ・ダニカ」は薬効のみを持つ植物について説明した小さなハーブの本ででした。

新しい大型の「フローラ・ダニカ」の目的は、繊維から染料生産にいたるまでデンマークの植物相が何に利用できるかについての情報を収集することで、王国の低迷する経済を改善することでした。同時に「フローラ・ダニカ」は、王国の植物についての知識を広める必要もありました、G.C.Oederは「植物学が単なる科学で在る限り、一般的な用途にはなり得ないため、この国の住民の間での本草学の広がりを調査する必要がある」と書いています。植物学者は少ない。言い換えれば、社会的かつ大衆的な目的を念頭に置いた、異例の野心的なプロジェクトだったのです。1752年まで、デンマークには独立した研究機関は存在しませんでした。植物学は医学の補助科目とみなされ、大学で植物学の教育は医学教授によって行われました。

1752年にGeord C. Oederは植物学の王室教授として採用されました。当初、Geord C. Oederは大学の教授を務める予定でしたが、大学側の反対により実現しませんでした。その代わりに、大学から完全に独立した王立植物研究所が設立されました。
1753年、Geord C. Oederは王国で自生しているすべての植物の図版を掲載した『フローラ・ダニカ』の出版を提案しました。その目的は、植物学の知識を広め、それによって様々な植物の有用性と有害性についてより深い知識を得ることでした。
1772年のStruenseesの没後、Geord C. Oederは任務から外されこの作品の出版は動物学者O. F. Müllerに引き継がれました。彼の後、8人の植物学者が『フローラ・ダニカ』の出版に携わりました。

それはクラウドベリーの銅版画（エングレーヴィング）から始まりました。それ以来、何千もの花、藻類、菌類が描かれ、デンマークの野生植物に関する壮大な作品『Icones Florae Danicae』（通称『Flora Danica』）に印刷されました。最初の小冊子は1761年に出版され、出版は1883年までの122年間に及びました。そして合計3,240枚の銅版画が制作されました。

図版は手彩色版と無彩色の廉価版が出版されました。「フローラ・ダニカ」の作品の主要部分は、51冊の小冊子＋3冊の付録小冊子で構成され、合計3,240枚の銅版画が掲載されています。

この作品が全国に広く広めるために、無料のコピーが司教たちに配布され、司教たちはそれを司祭や学者、学校などに配布することができました。 しかし、『フローラ・ダニカ』は通常の普及版として出版されることはありませんでした。なぜなら印刷費があまりにも高額だったからです。現在、フローラ・ダニカのオリジナルの小冊子がオークション等で落札されることは稀で、その価格は35万デンマーク・クローネ以上（約700万円）であります。

この新しい出版物によって、260年の時を経て、ようやくすべてのデンマーク人にフローラ・ダニカを理解してもらうことができるようになりました。