きょうのクロスステッチ

【きょうのクロスステッチ Vol. 388】 by 岡村恭子

VOL.388 散歩の達人 : 延江さんと行くChristiania探訪

torsdag den. 25 maj 2017

夏至まで一ヶ月を切りました。日増しに明るくなっています。
透明な青空が少しずつ薄らいで行くPM 8:00。
賑やかだった昼間とは打って変わって車も人影もまばらな通りを
西陽が明るく照らします。菩提樹の若葉を広げ始めた広場には
のんびりとハトが憩い、私達のように三々五々散策する人がチラホラ。
ピザ屋さんの前だけは焼き上がるの待つ若者達で賑わっています。
人も街も一日の仕事から解放され、ホッとしている空気に包まれた
夜と言うには明るすぎる夕暮れ時を楽しむのも今頃ならでは…です。

朝から青空の広がる絶好の散歩日和となった某日。
いつもの場所でね!… 延江さんと待ち合わせたのは、おなじみの
海辺の街 Christianshavnです。 
→VOL.341 ~自由な風が吹き渡る街~ 夏のChristianhavn散策
カフェで寛ぎながら彼女が話す春のオープンステッチハウスの様子に
耳を傾けます。
…… 嬉しいことにご来店のお客様が過去最高でした。
遠く山口や大阪からいらして下さったり、毎回楽しみにして下さる方も
増えて、もっともっと皆様とお話ししたかったけれど時間が足りなくて。
ワークショップに講師としてお呼びしたエヴァさんがとても喜んで、
またステッチハウスでみなさまと刺繍を囲んだひと時を過ごしたいと
言っているのは本当に嬉しいな。 ……
「継続は力」というけれどただそれだけでは有りません。
やっぱり、そこに携わる延江さん始めスタッフの皆さんの一生懸命さが
あって初めてお客様に伝わるものが有ると思います。
日本の刺繍ファンのパワーでお膝元のデンマークの刺繍の世界も活性化する
かもしれないと言い続けて来たけれど、それも夢では無いような気がします。

おしゃベリも一区切りして初夏の眩しい光の中に出ました。
実は何を隠そう、彼女は散歩の達人なのです。
週末は彼と一緒にサイクリング。さも無ければ散策、そうして身近な自然を
満喫したり、隠れた穴場を発見したりするのがとても上手です。
今回は1960年代に誕生した自由区で、ヨーロッパ中からヒッピーが
集合して形成されたビレッジ “ Christiania “ 探訪です。
現在は市民権を得てしっかり管理され、コペンハーゲンの観光メッカの
一つになりました。どこを切り取ってもfremmeのモチーフのような
草花の咲き乱れる小径を彼女の案内でクネクネと…。
「こっちこっち。ほらね!きれいでしょう?!」… ほんとうに!
折から咲き乱れるライラック、午後の陽光に輝く芝生には色とりどりの
チューリップ。カラフルに塗装された家々、傾きかけた屋根もご愛嬌です。
道端のタンポポまでのびのびと育っているのを見て、我が家の庭では
芽が出る傍から捨てている雑草達がちょっと可哀想な気もして、
どうやらここは価値観も変わってしまうお伽の国のようだと思いました。


岡村 恭子
http://copenhagensmile.weebly.com/




























Christianaでは咲き乱れる草花もカラフルな手作りハウスも
そこに暮らす住人もみんな自由気まま。ここで暮らしたら一瞬にして
価値観が変わってしまいそうです。








今話題のカフェThe Corner108 にて。見た目も美しいランチプレート。
旧市街地からの橋が完成して周辺は新しい観光スポットに。
→VOL.346 水辺の都市 コペンハーゲン  小さな橋の大きな役割り

【きょうのクロスステッチ Vol. 387】 by 岡村恭子

VOL.387 少しずつ無理せず分別。
        デンマーク的ゴミの回収& リサイクルシステム

torsdag den. 18 maj 2017

若葉が日ごと大きくなり、庭木の梢が思い思いの葉で覆われて、
今、庭中が緑のグラデーションに彩られています。
リンゴとライラックの花が咲き始めました。
甘い香りに包まれながら、小さなハサミとシャベルを持って、
あちらからこちらへ庭の手入れに追われています。
雑草に覆われてしまった植え込みの根元から黒く濡れた土が見えると、
それだけで清々として気持ち良い。

清々として気持ち良いのは庭に限った事では有りません。

「もう他に出すモノ無い?」夕食後、のんびりしている家人に
声をかけました。翌日は2ヶ月に1度の粗大ゴミの日なのです。
モーターが切れてしまった芝刈り機、ロックが壊れたトランク、
大型段ボールはきちんとたたんで、古いモップや熊手など長いものは
まとめて紐で括りつけて、忘れずに出すよう並べてあるのですが
もっと有れば出してしまって清々したい。
私の問いかけに家人が地下に下りて行きました。
地下室には家具の試作品など、私には不要と思われるけれど、
勝手に捨てるわけに行かないモノが沢山有ります。その中から
黒いキャンバスの椅子とパイプの脚数本。もういらないね。出してしまおう。
… こうして、翌日までに家の前に並べておけば回収車が持って行って
くれます。時にはその前に欲しい人が持って行くこともあります。
効果的なリサイクル!です。

粗大ゴミの他にも、庭のバイオゴミ、化学薬品、乾電池などのゴミ、
空き瓶回収(=街角のボトルバンクに捨てに行く。)
容器代が含まれているペットボトルや空き缶はスーパーの返却機に入れると
代金レシートが出て買い物時に差し引いてくれる。…というようなシステムが
定着して非常に効率よく回収されています。
空き瓶回収率は80%にも及ぶと聞きました。全てリサイクルされます。
あとは家庭ゴミをもう少し分別出来れば良いよねえ…という位だったのですが、
去年から行政が積極的に取り組み始め、我が家にもプラスティックと缶類用の
コンテナが配布されました。でも、強制的では無いし、大雑把で構わない。
これからは出来るだけこちらに入れて下さい…という風に緩やかに移行して
ゆきます。各自の意志に期待するあたり、この国の教育システムにも
通じるものを感じます。

今度の冬にはコペンハーゲンにも人口スキー場が稼動する予定ですが、
その全てを家庭の可燃ゴミのエネルギーで賄うのだと市長が胸を張っています。
そういう事なら分別して協力しなくては!
えーっと…、あっ!もうすぐプラスティックと空き缶の日ね。
忘れずにカレンダーに○しました。


岡村 恭子
http://copenhagensmile.weebly.com/












上から順にプラスティックとメタルの家庭用コンテナ。
街角のボトルバンク。スーパーに設置されている返却機です。
返却機は空き缶を挿入するとベルトコンベア式で奥に運ばれ、
バーコードを読み取り終了ボタンを押すとレシートが出ます。











今日の庭から。

【きょうのクロスステッチ Vol. 386】 by 岡村恭子

VOL.386 ミッシェランの☆付きからカジュアルフードコートまで
       選べる楽しみ : コペンハーゲンのカフェ&レストラン

torsdag den. 11 maj 2017

週末の広場がフリーマーケットで賑わい始め、
スーパーの店先にBBQ用品とガーデニングの道具が仲良く並んで
アウトドアシーズンの到来を告げています。
寒暖計が10℃を越えた途端に、上着を脱ぎ捨てT-シャツ姿になり、
子供達が素足ではしゃいでいたりすると、まったくもって北欧の人と
いうのは無邪気なくらい単純で極端だ、と笑ってしまいます。
でも、暗い冬の間ビタミンDを補給しているくらいですから
無理もないのです。これからの季節、素肌を太陽に晒すのは
粋がっているのでも、日焼けを自慢したいのでもなく、
北欧の人々の健康法なのです。

… いやー、美味しい食事を提供するレストランが増えていて
驚きました。 久しぶりにデンマークを訪れた友人が感心した様子で
言いました。
確かに10年前に比べたらずいぶん変わったような気がします。
ノルディックキュイジューヌの旗手 “ noma “  http://noma.dk/
を皮切りにミッシェランの☆を獲得している高級レストランも
続々登場しています。約しい主婦は世界中からグルメが訪れるような
そういうお店とは無縁ですが、買い物の帰りなどに気軽に立ち寄れる
カフェや、スタンドバー的なお店が増えたのは嬉しいこと。
いわゆるファミリーレストランもここ数年ですっかり定着し、
週末ともなると家族連れで賑わっています。
我が町内のバス通りにもRound Sushi : 回転寿しを看板にした
ファミリーレストランがオープンしました。子供用のジュースや枝豆の
乗った小皿がグルグル回っているのには失笑してしまいますが、
目新しさも手伝ってなかなか人気のようです。
そんなこんなで外食のバリエーションが増えている中でも、
元精肉市場だったオープンスペースで今毎週土曜日だけ開かれる
フードマーケットや、製紙倉庫をリミテッドでフードコートにした
ペーパーアイランドを始めとする運河沿いのエリアは、特に若い人達を
中心に大人気です。いずれもカジュアル&オーガニックというのが魅力の
ポイント。Facebookで拡散され忽ちブレークして、観光スポットとしても
注目度が高まっています。

そういえば、パリ在住の知人が初めてコペンハーゲンに来た時の第一印象も、
なかなかアイロニックで面白いフレーズでした。
曰く、『コペンハーゲンはパリよりもパリっぽい!』 
… なるほど、そうなんだ。
以来、カフェに陣取って通りを行く人を眺めている時など、
ふと彼女の言葉を思い出して、格安な ¨パリ気分 “ を味わったりしています。

岡村 恭子
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街角スナップから、カフェで憩う人々。
少しは “ パリっぽい “ でしょうか?











週末だけ開催されるフードコート。天気の良い日は沢山の人で賑わいます。
食材は全てオーガニック、食器はリサイクル。



【きょうのクロスステッチ Vol. 385】 by 岡村恭子

VOL.385 蒼い夜空と柏もち

torsdag den. 4 maj 2017

ここ数日良く晴れて、ようやく5月らしい天気になりました。
pm9:00を過ぎても明るい!
澄んだ蒼い夜空が北欧の初夏の始まりを告げているようです。

庭の桜は満開を過ぎて、風に散り始めました。
最盛期の頃に比べると3割りほどの花付きでしょうか、
去年よりも更に枯れ枝も目立つようになってしまった…。
私達がこの家に暮らしはじめて、かれこれ30年近く、
毎年、春になると桜の花が咲くのを楽しみにしてきましたが、
あと何回お花見が出来るだろうか?… 心配しつつも
何とかこの春も健気に花をつけてくれた老木に感謝しつつ
静かに今年もお花見の時が過ぎて行きます。

さて、
このページが更新される予定の5月5日は端午の節句『こどもの日』
子供の日と言えば 鯉のぼりと柏餅ですが、
懐かしいのは花より団子の柏餅です。
ひな祭りに登場する桜餅の、あの透き通るように優しげな桜の葉とは
対照的に大振りで少し無骨な柏の葉、その中に餡をくるんで二つ折りに
なった柏餅、葉をめくっておもむろに口に運ぶと、まず塩漬けした
柏の葉の香りが鼻先を過る。そして、一口齧った時のネッチリとした
お餅の抵抗感は口元を引き締めて踏ん張る5月人形みたいです。
そんな普段使いの和菓子を食べたいね、と話していたら、
タイミング良く友だちが浅草のおかきを手みやげにやって来ました。

早速渋いお茶を入れて、軽く揚がったおかきを口に運びながら、
いやー、それにしてもお餅は実に変幻自在だとあらためて感心します。
柔らかくて粘っこいお餅が油で揚げた途端にカリッとした和風チップスに
変身、全く違う味覚を楽しませてくれるんだから!…と、和菓子話に
花が咲きます。歳のせい…というのもあるけれど、それよりもケーキや
クッキーは家で簡単に作れるけれど、材料が整わない和菓子はそう簡単に
行かないし、場所がら近所でも売っていない…そこで登場するのが
あずき餡の缶詰です。これさえ有れば簡単にアンドーナッツが作れるのですから
便利この上ない。帰省時に買っておいたのを棚の奥から引っ張りだす時は、
見ていてごらん、今から秘密兵器を取り出すからね!という気分です。

明治の物理学者 寺田寅彦氏は
『好きなもの 苺 珈琲 花 美人 懐手して宇宙見物 』
と詠んだけれど、さしずめ 本日の私は
『好きなもの カリッと揚げ餅 柏もち 蒼い夜空の花吹雪 』
といったところでしょうか。


岡村 恭子
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pm9:30 庭から南西の空を見る。まるで青いフィルターをかけたように美しい。







今年も咲いてくれてありがとう!桜に感謝を込めて。



餅米はエライ! カリカリッと揚がったおかきを頬張りながら
和菓子談議に花が咲きます。

【きょうのクロスステッチ Vol. 384】 by 岡村恭子

VOL.384 旬の野菜で季節を味わう。

torsdag den. 28 april 2017

夏時間になってからひと月が過ぎたというのに、
ここ数日肌寒い日が続いています。今日も朝からミゾレまじりの
冷たい雨で、庭の草花達も濡れそぼりしょんぼりしています。
天気予報では今日こそ晴れると言っていたのに…。

でも、どんなに寒くてももうすぐ5月。
新緑の季節ならではの風景がそこここに展開しています。
ついこの間まで枯れ枝を風に晒していた並木もいつの間にか、
小さな若葉を軽やかにまとい始め、公園で遊ぶ子供達の声も
明るく朗らかに聞こえます。そして、八百屋さんの店頭に
爽やかな季節の到来を告げるホワイトアスパラガスが並び始めると、
食卓にも彩り豊かな季節到来、自然に頬も緩みます。
トマトもキュウリ…と、何でもかんでも一年中出回っている時代に、
ほんの一瞬の “ 季節もの “ が並ぶのは何だか有り難く、
自然の恵みを頂くのだ、という実感も湧いて来ます。
今頃の日本だと今が旬の筍!ですね。分厚い皮の中に守られるように、
白くて柔らかい筍。その様子だけでも喜ばしい。
『旬の野菜』…なんとステキな響きでしょう。
特に、春の芽吹き時ならではの野菜を手にすると、お料理をする前から
朗らかな気持ちになります。

残念ながら筍は手に入らないけれど、野菜を買うなら “ Torvhallen “ と
言うくらい、近所のスーパーでは手に入らないものが沢山並んだ
オープンエアの青物市場が有ります。時々大きなトートバッグを
持って買い出しに行くのですが、山に積まれた新鮮な野菜を眺めるだけでも
目の保養になります。そこで私が必ず買うのが大根とほうれん草。
ヨーロッパ生まれの大根はスレンダー、でも味はほぼ一緒です。
サラダはもちろん、肉料理に添えたり、時には煮込み料理にと重宝です。
ほうれん草は赤い付け根の部分までちゃんと付いていて、時々ハッパの間に
泥もついていたりして、私を喜ばせてくれます。濃緑色の分厚い葉のほうれん草
を見かけたら、迷わず無造作に手づかみ。まだ水滴の付いているような瑞々しい
感触が手の平に伝わり、計ってもらっているそばから、バターソテーにして
お醤油を垂らして食べようか?それともオリーブオイルで和えようか?と、
あれこれ夕食の献立を考えるのにも弾みがつきます。
先日は大きな真っ白いカブを見かけたので迷わず買いました。

Torvehallenには魚屋さんが2件、和食の材料を扱う小さな乾物屋さんも
有って、醤油やお豆腐も気軽に買えるようになりました。
それだけデンマークの人の食生活が豊かになって来た証拠です。
一番の変化は魚を食べるようになったことでしょう。
これはひとえにSUSHIの効力です。最近は本格的なラーメンも人気で、
わざわざ北海道から麺を取り寄せているという人気店も出現しています。
今にお好み焼きとかソーズや生そば、たこ焼き、というような屋台スタイルも
現れそうだと話しています。
Torvhallenに筍や松茸が並ぶ時代もやって来るかも知れませんね。


岡村 恭子
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Torvhallenの青物市場。色とりどりの山積みの野菜や果物は見ためも楽しい。







カブを見かけて迷わず買いました。大きなトマトも購入。



Torvhallenn内のカフェはいつもたくさんの人で賑わっています。



これは近所のスーパーでもらった野菜のタネです。
小さなボックスに栽培キットが入っていました。パプリカ…育つかな?

【きょうのクロスステッチ Vol. 383】 by 岡村恭子

VOL.383 お花見にちなんだエピソード

       ”シドモア桜”ものがたり

torsdag den. 21 april 2017

買い物の帰り道、花吹雪が舞ってきた…と思ったら、
ハラハラと舞い散る花びら…ならぬ、粉雪でした。
うっかり薄着で出かけようものなら風邪を引いてしまう。
北欧の4月はまだまだ寒暖の差の大きい毎日ですが、
東京はもう初夏の陽気と聞きました。
そんな東京品川で17日〜19日にかけてはスウェーデンから
エヴァさんを講師にお迎えしてのワークショップ、
そして20日〜22日はオープンステッチハウスと、
今週いっぱいステッチハウス主宰の “ 刺繍三昧Week “
爽やかな新緑の下、連日沢山の方で賑わっている事と思います。

デンマークもようやく春のお花見シーズンになりました。
もうすぐ “ コペンハーゲン桜祭り “ です。人魚の像のある公園一帯に
植樹されたソメイヨシノが毎年美しい花を咲かせ、人気スポットになりました。
デンマークの人も『ハナミ』が大好き。桜の下で集う姿は平和そのものです。
桜の種類も色々で、山桜、八重桜、こうず桜、しだれ桜にソメイヨシノ…
という中にシドモア桜という名前が出て来ました。
はてな? 聞き慣れない名前ですが、実は有名なポトマック河畔の桜に
つけらた名前で1900年代初頭、単身来日したアメリカ人女性ジャーナリスト
エリザ シドモアさんがその名の由来だそうです。

庶民の暮らしに接して日本が大好きになったシドモアさん、
とりわけ春の桜が咲き始める頃の美しさ、人々が桜の花の下に集うお花見に
感銘を受けたのでした。そして、祖国アメリカにもそういう場所を
作りたいという彼女の情熱とアイデアに賛同したアメリカ大統領夫人、
高峰譲吉(=アドレナリンを発明した日本人)、当時の東京市長 : 小村寿太郎
始め多くの人々の尽力で実現したのだそうですが、2000本もの
桜の苗木を船で運ぶという前代未聞の一大プロジェクトです。
関係者の苦労は大変だったでしょうし、根腐れなどの難題にも知恵を絞り、
無事に送り届けた時の喜びは想像に難く有りません。
それから100年以上の年月を越えて毎年美しい花を咲かせていることを
思うと深い感動を覚えます。
シドモアさんは今も横浜の山手墓地に眠り、傍らに植えられたシドモア桜
が毎年花を咲かせている、という桜にまつわる美しいエピソードでした。

ところで、コペンハーゲンの桜はアンデルセンベーカリーの先代オーナーが
日伝親善のシンボルとして寄贈したのが始まりです。
この桜もいつか人々から愛称で呼ばれるようになるのでしょうか?


岡村 恭子
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コペンハーゲンのお花見スポット : 農業大学の植物園。
淡いピンクの桜と純白のマグノリアが一度に開花してとてもきれいです。



健康カードです。右下の1813は24時間相談窓口の番号。







我が家のご近所の桜です。小粒で白くて愛らしい。今が満開!



庭の桜。蕾の先がほんの少し開いて来ました。
見頃になるまで、まだもう少しかかりそうです。

【きょうのクロスステッチ Vol. 382】 by 岡村恭子

VOL.382 空を飛ぶ?!花束の贈り物

torsdag den. 13 april 2017

イースターホリデーになりました。
庭は刻一刻と萌葱色に染まり、老桜の蕾も僅かながら膨らんで来ています。
今年もお花見が出来るかな?…
思えば1936年、この家が建てられた時に植えられた桜の木です。
樹齢80年を優に越えているお年寄り。
一輪でも咲いてくれたら嬉しい…そんな気持ちで見守っています。
桜の開花を待つ間も黄色い水仙、紫のムスカリ、薄桃色のアネモネなど、
春の花が次々と咲き始めています。

“ 花 “ と言えば、つい先日の事、
家人の誕生日にバスデーブーケが届きました。それも日本から!
まるで花束が東京→コペンハーゲンの空を飛んで来たみたい。
ご馳走の並ぶテーブルに無事Landed : ランディッド!です。

その朝、
玄関のチャイムに出てみると、男の人が花束を抱えて立っています。
想像して下さい。小包を抱えている郵便屋さんとか、書類片手の
町内会のオジさんでは無くて、『玄関のドアを開けたら、そこに見知らぬ
男性が花束を持って立っている』のです。こんな事はめったに無い。
嬉しいより怪しい… さては、新手の花売りか?… 
そんな私の怪訝そうな表情を “ 想定内 “ と言わんばかりの明るい笑顔で
件の男性が「どうぞ、これを!」と花束を差し出しました。
先方は ポカン!としている受け手の様子にも慣れっこのようで、
住所を確認し、差出人はこの中に…と小さな封筒を示すと素早く姿を消して
しまいました。宛名が家人になっている所を見ると誕生日のプレゼントに
違いない。しかし 一体誰からかしら?…急かす私を横目に本人が花束に
添えられた小さな封筒を開けて送り主が判明、同時に東京で手配してくれたと
いう事も分かったのでした。
「… しかし、驚いたね… 」そう言って少し困った様子で花束を
持つ家人が微笑ましいようにも感じられて、私は温かい心持ちになりました。

インターネットのお陰でフローリストもグローバルネットワーキングです。
誠に便利な世の中になりました。
何でもかんでもネットショッピングというのは考えものですが、
こんなサプライズプレゼントなら大歓迎です。
お誕生日に “ 空飛ぶ花束 “ の楽しいエピソードが添えられたところで… 
結論 『花束は男の人にも良く似合う』
そして、今度はコペンハーゲンから東京へ花束を飛ばしてみたい!
と思ったのでした。


岡村 恭子
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空飛ぶ?!誕生日ブーケです。
コペンハーゲンの花屋さんが送り主の希望の色合いで作ってくれました。
元気の出るスカーレットレーキの花束。T-さん、ありがとう!







娘たちが作った手まり寿司。家人の好物、餃子も登場!



朝食のテーブルに庭の花を水に挿して。







今朝の庭から。シバザクラ、ムスカリなどが次々と咲いてきました。


  • 2017.04.14
  • 01:38

【きょうのクロスステッチ Vol. 381】 by 岡村恭子

VOL.381 持って安心!デンマークの保険証 : Sundhedskort

torsdag den. 6 april 2017

窓越しの景色が明るい!と思ったら、
昨日まで蕾だったレンギョウが今朝は満開です。
ステッチハウスの表紙もKongens Haveのクロッカスがきれいですね。
これからは音を立てるように若葉が芽吹き、北欧の春は
一気にクライマックスに向かって行きます。
陽射しが眩しい季節の到来に、わけも無く気もそぞろになって
腰が浮いてしまうのも今頃のことです。

ところで、デンマークで、例えば急に医療機関の世話にならざるを
得なくなった時、デジタル保険証 : Sundehedskort (ヘルスカード)さえ
持っていれば鬼に金棒?!… 安心して医療サービスを受けることが出来ます。
このカード、デンマーク国籍でなくてもこの国に暮らす人全てに発行され、
自動的に主治医も決められているので、医者選びで悩む必要もありません。
(主治医を変更したい場合は変更可能。)
通常はまず主治医に診てもらい、必要に応じて主治医がその先の検査や
専門的治療の機関へコンタクトします。
もちろん、いかなる場合も(大変な手術でも!)医療に関しては無料。
福祉先進国家と自負する所以です。
(歯科は有料ですが、義務教育期間は学校内に歯科クリニックが有り、
定期検診が義務づけられ、同時に歯並びの矯正も行われます。
18才未満は治療、矯正共に無料)

デジタル管理により、医師はインターネット上で患者の過去にさかのぼって
データーを把握し、適切なアドバイスをしてくれます。
デンマーク語でのコミュニケーションが難しい外国人には必要に応じて
通訳を付けてくれるサービスもあるのだそうです。
もちろん無料です。これを余裕と言わずして何でしょう?
その他にも24時間態勢の相談ダイアルなども心強いシステムです。
何れの時もまずヘルスカードのNo.数字(10桁)を聞かれますから、
必ず暗唱出来るように覚えておく、というのもイザッ!という時の
コツだったりします。

デンマーク最大規模の総合病院に行くと、広いロビーに北欧デザインの
ロビーチェアがレイアウトされ、日当りの良いコーナーでは
バーチェアに腰掛けてPCを開いている人や談笑する人。
カフェコーナーには人気ベーカリーのコーナーもあって賑わっています。
一瞬、ここが病院?と思ってしまいそうですが、
でもいくら居心地が良いからと言って、このような所のお世話に
ならない方が良いに決まっていますね。


岡村 恭子
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街角スナップから。
向かって右から2番目のポストと♡のクッションが良い味出していますね。



健康カードです。右下の1813は24時間相談窓口の番号。











チューリップ、カンパネラ、花壇にはムスカリ、水仙、ヒヤシンスなどなど。
レンギョウも満開になりました。
桜のつぼみ越しにハレー彗星?…否、飛行機雲です。


  • 2017.04.07
  • 06:34

【きょうのクロスステッチ Vol. 380】 by 岡村恭子

VOL.380 雨降り雑記 : 4月になれば・・・
         オープンステッチハウスまで3週間!

torsdag den. 30 marts 2017

毎週一回、コペンハーゲンから日々のこぼれ話をお送りして
いるけれど、今日はあいにくの雨降りで庭にも出られない…
何を書こうかなあ?溜め息まじりで考えている時です。
…よーく探してごらん、きっと何か面白い事が隠れているよ! 
そんな声が聞こえた気がしました。確かにそぼ降る雨の中にも
そこはかとなく春の明るさを感じます。雨が上がれば庭の木立も
一斉に芽吹き始めるでしょう。気を取り直してキッチンの指定席で
珈琲ブレイクです。ふと、壁に掛かったカレンダーに目をやると、
このページが更新される金曜日は3月も最終日、週末はもう4月です。
春のオープンステッチハウスまで3週間を切っているではありませんか!
… 延江さんもEvaさんもエンジンかかったかな? 
そう思った途端に私まで何だかソワソワして来ました。
さっそく4月のカレンダーに印をつけましょう!
17日~19日=ワークショップ、
20日~22日=オープンステッチハウス。
…と、赤く線を引いて賑やかになった4月のカレンダーには、他にも
休日の印が並んでいます。オープンステッチハウスよりひと足早い、
13日~17日は “ 北欧に春を呼ぶ : イースターホリデー “ です。
この連休を境に夏休みが終るまで、みんな楽しい事ばかり考えて
仕事も勉強にも身が入らなくなる。
旅行に行きたい、サマーハウスも修繕したい、新しいヨットが欲しい!!
とにかく、そういう楽しい計画は何をするにもお金がかかるのが悩ましい。
そういう事を見越したかのようにデンマークでは夏休み前に
“ ホリデーマネー “ という、ちょうど日本のボーナスに該当する特別給与が
支給される仕組みが有ります。
収入の半分が税金で持って行かれてしまう代わりに、様々な福祉を受けられる。
その中にホリデーマネーも含まれていると思えば良いわけで、
みんなが3週間ものホリデーを安心して楽しめるのも、
こうした国の政策と人々の考え方がバランス良く機能しているからだと
感心します。

さて、3月最後の週末は20℃近くにまで気温が急上昇するという嬉しい
天気予報です。次回は新緑の芽吹き始めた庭の様子なども含めて楽しい話題を
お伝えできたらいいな、と思っています。どうぞお楽しみに。



岡村 恭子
http://copenhagensmile.weebly.com/




街角の花屋さんにて。白を基調にしたプロバンス風にアレンジした
ディスプレイが素敵ですね。







コペンハーゲン植物園内のブティック。
植物に関する書籍や季節の草花&野菜のタネが所狭しと並び、
植物園で育てた苗なども販売しています。







晴れた日の今頃の庭の様子。
芝生の間の苔を取るのも一苦労です。ざっと取り除いてから肥料を与えます。

【きょうのクロスステッチ Vol. 379】 by 岡村恭子

VOL.379 日々の暮らしに息づく工芸デザイン展 『和』
       at A.Petersen : Copenhagen

torsdag den. 23 marts 2017

10月末に冬時間になってから5ヶ月が過ぎて、
いよいよ待ちに待った夏時間の出番となりました。
3月最終日曜日、am 2:00に公式時刻がam3:00に切り替えられます。
いつも通りに起きたのに、一時間寝坊!という事になってしまう。
この日、時計の針を逆回りさせないようにと、デンマークの人は
ガーデンチェアを「 出す」&「 戻す」と覚えます。
夏時間は「 出す」冬時間は「 戻す」…なーるほど分かり易い。
それに、ガーデンチェアという所が如何にもデンマークらしい。
さあ、庭に椅子を出しましょう!
途端に、通りのカフェも、運河沿いのベンチや広場にも、
日だまりという日だまりに人々が憩い始めます。
明るい季節の幕開けです。

家人が家具デザイナーという仕事柄、家具に限らず様々なジャンルの
“ デザイン “ に触れる機会が多く、その度にデニッシュデザインは
日本人の感性と響き合うものがあると感じて来ました。
デンマークの伝統的なクラフトマンシップから生まれた、
シンプルで機能的なデザインは不思議なくらい “ 和の空間 “ にも似合います。
どうやら、その根底には両国の人々の“ カタチ “ に対する共通の
美意識が有るようだ、とも思って来ました。

コペンハーゲンのギャラリーショップ : A.Petersen http://apetersen.dk/ 
で始まった、日本の優れたデザイン工芸品を紹介するイベント『和』。
広い空間に浮遊するようにディスプレイされているのは、選りすぐりの
日本の工芸品の数々です。陶器、竹細工、樽、木工小物、布、銀細工、等々。
いずれも無駄の無い機能美に満ちています。
レセプション当日はオープンと同時に来場者がひっきりなしの大盛況。
日本の伝統文化やデザインに興味を持ち、知識も豊富な人が多いのにも
改めて驚きましたが、私にとって大好きな二つの国が、デザインという
共通項で理解し合える事がとても嬉しくて、文化交流という使い古された
言葉が俄に新鮮なイメージで浮かび上がっても来ました。

帰宅後、改めて身の回りを観察してみると、例えば、
スティック2本という究極のカトラリー 『 箸』を筆頭に
適度な抵抗感でスーッと持ち上がる茶筒のフタなど、普段何気なく
使っている道具の中にデンマークの人が感心するポイントが
沢山潜んでいる事に気づかされ、改めて暮らしに息づく” 和 “の
世界を見直す日々となりました。


岡村 恭子
http://copenhagensmile.weebly.com/
















“ 和 “の会場風景より。
高度な職人技による日本の伝統工芸品の数々。
『Learning from Japan展』 を思い出します。
http://www.stitchhouse.jp/hpgen/HPB/entries/1280.html







今日の庭から。黄色のクロッカスは盛りを過ぎて、紫クロッカスが満開、
ミツバチも飛び交い始めました。

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